著者
中島 務 植田 広海 三澤 逸人 伊藤 彰英 冨永 光雄
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.98-103, 2000-04-28 (Released:2010-04-30)
参考文献数
8
被引用文献数
4 3

厚生省特定疾患急性高度難聴調査研究班は, 平成10年度に突発性難聴の重症度基準を作成した。 今回, 我々は, この重症度基準を用いて今まで行われた3回の突発性難聴の全国疫学調査結果の解析を行った。 この重症度基準を用いた分類は, 突発性難聴の治療経過の解析に有用な指標であると考えられた。
著者
中島 務 曾根 三千彦 三澤 逸人 服部 琢 鈴木 亨
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

内耳への60mWソフトレーザー照射が耳鳴の抑制に効果があるかどうか二重盲検にて検討した。耳鳴の大きさ、持続時間、音色、苦痛度の変化にレーザー照射群とプラセボ照射群の間に有意差は認られなかった。メニエール病におけるゲンタマイシン鼓室内注入療法は、広く世界的に行われるようになってきている。我々は、、モルモットにおいてゲンタマイシンを蝸牛窓または鼓室内に投与し、基底回転の外リンパにおけるゲンタマイシン濃度を経時的に測定した。外リンパゲンタマイシン濃度は投与後1〜2時間後にピークとなり半減期が2〜数時間と非常に早いものであった。ゲンタマイシン鼓室内注入療法後、麻痺性眼振が出ても、その後前庭代償がおこって日常生活で問題となることは極めで少ない。高齢者では前庭代償がおこりにくいが、若い人でも直線加速刺激を行うと正常者とは異なる垂直方向の眼球の動きを前庭代償が完成されたと思われた時期においても観察された。モルモットにおいてシスプラチン内耳毒性に対するαトコフェロールの抑制効果を確認した。また、プロスタグランディンE1を蝸牛窓に置くと蝸牛血流が上昇した。内耳機能の評価に内耳血流状態の把握は重要である。レーザードップラープローブの先端を蝸牛骨壁にあてると、ラットではレーザードップラー出力の30〜40%が骨の血流成分で蝸牛血流とは別に考えなければならないことがわかった。人工内耳手術では、蝸牛骨壁に穴をあけるので、この穴にプローブをさしこんで血流測定をおこなえば可能な限り純粋に蝸牛血流の測定ができる。現在までのところ人工内耳手術を受けた20人にこのような方法にて蝸牛血流の測定を行ったが6人(特発性感音難聴2人、原因不明の先天聾2人、内耳道狭窄1人、髄膜炎後難聴1人)において顕著な蝸牛血流信号の低下を認めた。