著者
上原 三十三
出版者
愛知教育大学実践総合センター
雑誌
愛知教育大学教育実践総合センタ-紀要 (ISSN:13442597)
巻号頁・発行日
no.13, pp.161-168, 2010-02

なわとび運動における「二人連鎖交互回しとび」は学校体育のための運動教材として新しい可能性をもつ技である。しかし,この技を実践し伝播するために前提となる指導法は未開発の状況にある。そこで本研究では,「二人連鎖交互回しとび」のこれまでの指導実践で用いられてきた,動感形態の発生を促す教材を運動モルフォロギーの視点から検討し,それらの問題点を明らかにしようとした。その結果,この技を一緒に行うペアーのなわ操作と自己のなわ操作の両者の努力操作が志向され,さらに同時に,自己のなわ操作においてもなわを回すことによって感じられる抵抗感があるなかで,左手と右手の努力操作が志向されるような運動課題が,教材として適当であると考えられた。
著者
上原 三十三
出版者
愛知教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,体育授業における運動感覚能力の向上を目指した,なわとび運動の「連鎖交互回しとび」のデジタル教材を開発した。本教材は,次のように作成された。「連鎖交互回しとび」の多様な運動形態をモルフォロギー的な発生分析によって分類し,体系化した。「連鎖交互回しとび」の基本形態習得における学習つまずき事例を動感分析し,「できる」動感を誘う運動アナロゴンを構想した。本教材を用いて小中高校の体育授業を実践した結果,運動の得意でない生徒たちも,自分と相手の動きに気づき,動感内容を伝え合うなどの積極的な学習活動が認められた。