著者
増本 幸二 新開 統子 上杉 達
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.1195-1201, 2012 (Released:2012-10-31)
参考文献数
20
被引用文献数
2

新生児は、各種栄養素の代謝や消化管における消化・吸収において、成人や小児とは大きく異なっている。さらに児の出生体重や在胎週数によっても、各種栄養素の代謝や消化管における消化・吸収は異なっている。そのため、新生児の栄養管理を行う上では、児の出生体重や在胎週数を考慮した、生理的な特殊性を理解する必要がある。新生児の栄養管理でも、まず成人や小児と同様に栄養アセスメントと栄養管理計画書作成を行う。病的な新生児では特に栄養障害を有することが多く、栄養アセスメントと栄養管理計画書に基づき、可能な限り早期に栄養療法を開始する。栄養療法は消化管が使用可能であれば経腸栄養を用いるのが原則であるが、投与量が不十分あるいは、病態的に必要であれば、静脈栄養を躊躇せず行う。なお、静脈栄養、経腸栄養ともに、新生児の代謝や消化吸収の特殊性を考慮し、成長発達を考えた慎重な管理を行う必要がある。