著者
岡﨑 孝博 吉本 亮子 上田 幸男 浜野 龍夫
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.2-8, 2014 (Released:2014-01-29)
参考文献数
27
被引用文献数
3 3

価格差の要因を明らかにするために,徳島産および韓国産ハモの体成分を分析した。韓国産の脂質含量(7.7~10.4%)は,徳島産(1.4~3.0%)に比べて顕著に高かった。呈味に関与する遊離アミノ酸の含有量に有意差は見られなかった。体重 0.3~0.8 kg の雌で比較したところ,韓国産は肥満度および比肝重量が高く,産卵期にすべて未成熟であったが,徳島産の一部は成熟していた。韓国産は,より低水温域に生息し,成熟開始年齢が高く,脂質を多く蓄えるため,旨味が強く,より高値で取引されると推察された。
著者
池脇 義弘 牧野 賢治 西岡 智哉 平野 匠 上田 幸男
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.82, no.6, pp.917-922, 2016 (Released:2016-11-22)
参考文献数
23
被引用文献数
2 1

瀬戸内海をはじめ各地の藻類養殖漁場で不足しているDINを補うための新しいタイプの施肥剤(硝酸アンモニウム溶液をゼラチンで固めたのもの)を開発した。ケースに入れない2タイプと穴の開いたケースに充填したもの2タイプを作製し,実験水槽内への溶出量を硝酸塩センサーで測定した。その結果,肥料成分60-70%の溶出に,ケースに入れないタイプはおよそ5日,ケース入りのタイプはおよそ20日を要した。このことから,施肥剤を入れるケースの穴の径と数を変えることにより肥料成分の溶出速度を調整できることが示唆された。