著者
阪井 康友 上田 眞太郎 永田 博司 大越 教夫
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.51-57, 1998 (Released:2007-03-29)
参考文献数
10

マウス腓腹筋の腱束および腱膜部における筋腱移行部の微細構造について検索を行った。腱東部の筋原線維と膠原線維の間には指状陥入構造による連結の形態を特徴とした。膠原線維側には基底膜を,筋原線維側には筋形質膜を認め,筋節の末端(Z線)のアクチンフィラメントが筋形質膜に接合していた。腱膜部では突起状の腱束が腱膜より鋭角に出現し,腱東部と同様の連結構造を示した。筋線維は筋の長軸方向に対し多様な角度で斜走し,腱束の接合がみられ,腓腹筋は抗重力筋として筋の収縮変位に乏しいが,最大張力発生に有利な筋デザインであることを示唆した。
著者
佐藤 哲哉 阪井 康友 福原 奈津子 上田 眞太郎
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.23-28, 1997 (Released:2007-03-29)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

パーキンソニズムの姿勢反応障害は日常生活(ADL)の障害をきたし,転倒の誘因ともなっている。そこで我々はパーキンソニズムの立位姿勢反応障害の推定とその特徴の検討を目的に,後方外乱によるPostural Stress Testを施行した。後方外乱刺激には,1.0%体重量による60cmの落下エネルギーを用い,刺激直後の前後重心動揺を経時的に測定を行った。加えて,20秒間の静止立位の重心動揺測定も行った。対象はパーキンソニズム10例および健常者10例で,結果はパーキンソニズムのADL障害の重度化に伴って,後方外乱刺激から平衡反応までの潜時時間は遅延し,この時の後方重心移動距離も延長した。パーキンソニズムの姿勢反応障害の特徴は,静止時のS.D-Areaでなく,後方外乱によるPostural Stress Testに対しての反応を示唆し,臨床評価にその有用性を明らかにした。