著者
植田 晃広 上田 真努香 三原 貴照 伊藤 信二 朝倉 邦彦 武藤 多津郎
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.243-247, 2011 (Released:2011-04-19)
参考文献数
32
被引用文献数
4 5

肥厚性硬膜炎の自験例3症例と,文献例66症例の臨床的特徴と治療反応性を検討した.症状は頭痛が最多で,脳神経障害は視神経,動眼・滑車・外転神経障害の割合が高い.検査所見はCRPあるいは赤沈の上昇例が約95%と高率である.治療法はステロイド使用例が多い.初回平均投与prednisolone(PSL)量は42.7mg/day,平均維持量はPSL 12.4mg/dayであった.再発率は初回ステロイド治療が奏効した例でも43%と高率であった.自己免疫異常を背景とすると考えられる肥厚性硬膜炎では,疾病初期の症状コントロールの難しい症例,治療開始15カ月以内に炎症反応の再上昇する症例,PSL 20mg/day未満での再発が多いことに注意して,PSLの減量はきわめてゆっくり長時間をかけておこなうことが重要と考えられた.
著者
三沢 大介 大島 慶太 渡邊 真 浅井 幹一 井野 晶夫 上田 真努香
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.94, no.7, pp.1393-1395, 2005-07-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

2年3カ月間に経験した横紋筋融解症11例について検討した. 7例が冬期に発症し, 65歳以上の高齢者が7例を占めた.症状は意識障害,食欲低下など非定型的なものが多く,筋痛,筋力低下を訴える例は少なかった.原因および誘因は長時間の体動不能による筋圧迫5例, A型インフルエンザ1例,感染性腸炎1例,熱中症1例,悪性症候群1例,テオフィリン製剤の多量内服1例などが推測された.合併症として腎不全,血管障害,肺炎が多く見られた.当内科入院患者における横紋筋融解症(以下RM)の臨床的特徴について検討した.