著者
下坂 剛
出版者
日本応用心理学会
雑誌
応用心理学研究 (ISSN:03874605)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.183-190, 2019-03-31 (Released:2019-08-15)
参考文献数
24

This research aims to collect experiences of feeling a sexual desire from men during face-to-face interviews to make a sexual desire scale for men (SDS-M) and then examine its reliability and appropriateness. The interviews were carried out with married and unmarried 11 men in their 20s to 40s. In addition, online surveys were conducted among 300 married and unmarried men in their 20s to 40s, using the SDS-M. With the exclusion of data on 39 participants who said they had never experienced sexual intercourse, data on 261 men were put to a factor analysis. As a result, the SDS-M discovered four structural factors: "satisfaction with sex", "satisfaction with masturbation", "desire to seek advice on sexual distress", and "recognition of sexual debility". The discovery verified the reliability of the SDS-M from the aspect of internal consistency and its appropriateness from construct validity. "Desire to seek advice on sexual distress" was stronger among the unmarried than among the married. "Recognition of sexual debility" was conspicuously reported by men in their 40s.
著者
下坂 剛 小塩 真司
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.102-112, 2023-10-16 (Released:2023-10-16)
参考文献数
37

本研究の目的は,就学前の子どもの年齢で分けた3群(第1子が1歳,3歳,5歳)において,父親における妻へのサポートが育児関与を介して主観的幸福感を説明している程度を検討することである。600人の父親を対象にインターネット調査を実施した。3群における各尺度の測定不変性の検討が行われた。その上で,3群の多母集団同時分析により,「妻へのサポート」から「しつけ」と「家事」には有意なパスが示されたが,「しつけ」と「家事」から「主観的幸福感」には有意なパスは示されなかった。また,3歳児の子をもつ父親において他の2群に比べて,「妻へのサポート」から「心理的ケア」により強いパス,「心理的ケア」から「主観的幸福感」により強いパスがそれぞれ示された。子どもの発達に伴って,父親の育児関与の様相は変化し,3歳頃の子どもとの心理的ケアによる関わりが,父親自身の主観的幸福感を高めるという有益な知見が得られた。
著者
下坂 剛
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.305-313, 2001-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
32
被引用文献数
5 6

本研究の目的は, 青年期における生活感情としての無気力感の各学校段階における特徴について検討することである。質問紙は, 無気力感, 学校適応感およびソーシャル・サポートなどにより構成された。また, 調査対象者は949名の中学生, 高校生および大学生であった。主な結果は以下の通りである。1) 因子分析の結果によると, 無気力感尺度には「自己不明瞭」「他者不信・不満足」「疲労感」の3つの因子が見出された。2) 分散分析の結果によると,「自己不明瞭」と「疲労感」は大学生段階で低下し,「他者不信・不満足」は男女で発達的様相が異なっていた。3) 中・高生においては, 学習意欲や友人関係についての学校適応感が, 無気力感と関連していた。また大学生女子よりも大学生男子において, 友人サポートが「他者不信・不満足」と強く関連していた。