- 著者
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小野 光弘
塙 政利
平田 拓
下山 雄平
- 出版者
- 山形大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 1996
生体のin vivo(生きたままでの)電子常磁性共鳴(EPR)計測、とりわけラットのホールボディ計測の実現を目標として、350MHzパルスEPR装置の開発を行った。本研究で得られた成果をまとめると次の様になる。(1) 数値解析により、最適なパルス幅と共振器の共振尖鋭度Qは、緩和時定数T_2=10〜100nsの生体ラジカルに対して夫々10〜68ns、10〜60、T_2=100〜800nsの固体のラジカルに対して夫々68〜158ns、60〜280であることが分かった。(2) 試作した350MHzパルスEPR装置を用いて、γ線照射クオーツ粉末37.5gの電子スピンエコー(ESE)信号の受信に成功した。受信信号電圧はパルス間隔が1400〜1600nsにおいて3〜5mVであった。(3) 本研究で得たESE信号から、γ線照射クオーツの緩和時定数はT_2=778nsと推定される。これは我々の研究室で既に開発した1.3GHzパルスEPR装置による測定結果T_2=759nsに極めて近い値である。(4) 生体計測を行うために、今後共振器のQを更に下げる必要がある。