著者
舞田 純一 中井 央
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.46, no.14, pp.67-67, 2005-10-15

近年,様々な用途に合わせて様々なプログラミング言語が出現している.このため,自身の用途のためにプログラミング言語の処理系であるコンパイラをできるだけ容易に作成できることが望まれる.コンパイラ作成のためのツールとしてはLex やYacc が代表的である.Yacc が登場してからかなり長い年月が過ぎたが,その間には時代の要求に合わせて,たとえばベースとなる言語がJava であるようなツールも出現してきている.これらのツールを用いたコンパイラ開発の場合,意味解析処理は構文解析時の動作(アクション)としてC 言語などのプログラム断片を記述することが一般的である.また,記号表などはコンパイラ作成者がゼロから実装することも通常である.この際,算術式の構文や識別子の出現といった構文においては,型の検査や記号の登録といった作業のためのプログラム断片を記述することとなるが,一般にはあるプログラミング言語の文法にはその中に同様の構文的な構成が複数箇所あり,同様の意味解析処理のプログラム断片もそれに合わせて複数箇所記述しなければならない.これまで意味解析処理の内容について個別に研究は行われてきていても,それを視野に入れた生成系については論じられることがほとんどなかった.本発表では,型についての処理,記号表についての処理に焦点を当てた意味解析器の自動生成を含むコンパイラフロントエンドの自動生成について述べる.In these days, for many purpose, various programming languages has appeared. So rapid and easy construction of compilers is required. Yacc and Lex is very famous tool for compiler construction. Recently, there are some tools based on Java. In general, in order to implement the semantic analyzing process, the action of Yacc written as a fragment of C program is used. In many cases, the symbol table is also implemented from scratch. When we want to implement a compiler with these tools, we have to write a fragment that expresses type checking and/or adding symbols to the symbol table. But, there are many resemble production rules and its semantic actions in a grammar. There are very few researches for semantic analyser generator from the view point of the above although up to now, there are many individual research of each topic of semantic analysis. In this presentation, we mention about automatic generation of compiler front end that includes automatic generation of semantic analyser from the view point of type check and symbol table processing.
著者
高田 真吾 佐藤 聡 新城 靖 中井 央 板野 肯三
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.1043-1052, 2009-03

企業や大学など多数のコンピュータが導入されている組織では,利用者に対する計算機利用の自由度を高く維持しつつ,稼動しているOS の種類とその最大稼動数を適切に管理する必要がある.本研究では認証デバイスを用いて,管理者により承認された複数のOSから適切なOSの起動と終了を制御できるシステムを提案する.提案システムの特徴は,OSの種類とは独立に,起動されるOSの数を把握するために認証デバイスを用いる点にある.利用者は,システム利用時に利用したいハードウェアに認証デバイスを挿入する.提案システムは,デバイスの挿入を検出するとハードウェアと認証デバイスの組合せにより,管理者が定めた起動すべきOSを決定し,起動する.認証デバイスが抜かれると,起動したOSを停止する.これらの動作は,制御対象のOSより下位に配置するOS制御レイヤにおいて行う.このOS制御レイヤを仮想計算機モニタXenを用いて実装し,動作実験を行い,提案システムの有効性を確認した.
著者
森 公希 新城 靖 中井 央 三宮 秀次 佐藤 聡
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.71-78, 2020-11-26

サイバー攻撃の対策として,IDS の導入が挙げられる.IDS はネットワークに流れる通信パケットを監視し,攻撃シグネチャを検知するとネットワーク管理者に通知するシステムである.しかし,IDS はホストの環境と関連のない脆弱性への攻撃であったとしても検知するため,一般的に大量の検知アラートが発生するという問題がある.本稿では,IDS の攻撃シグネチャと脆弱性スキャンのログを関連付けることで,ホストの脆弱性や環境に基づいて調査すべき IDS アラートを減らす手法を提案する.また,脆弱性識別子による機械的な関連付けができない場合については,自然言語を用いて関連付けを支援する.
著者
高田 真吾 佐藤 聡 中井 央 杉木 章義 新城 靖
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.12, pp.1-6, 2012-03-08

大学のような多数の計算機を保有する組織では,その稼働率を上げることが課題となっている.本研究では,ネットワークブートされる計算機資源を有効活用するため,局所的に通常とは異なる計算機環境を配信する手法を提案する.提案手法では,ネットブートで利用される DHCP が早い者勝ちのプロトコルであるという特徴を利用し,既存の DHCP サーバよりも早く応答する DHCP サーバをネットワークに接続し,そのサーバからの応答が届く範囲にのみ,通常とは異なる計算機環境を配信する.提案手法を実際に筑波大学の端末室に適用し評価実験を行ったところ,本来の DHCP サーバからの応答はリレーにより遅延し,接続した DHCP サーバからの応答が先に端末に到達することを確認した.また,この遅延による時間差は,DHCP サーバへのリクエストが集中した場合には小さくなることを示した.Improving the usage rate of the computers is important in organizations that have a lot of computers. The authors propose a method to switch the computer environment which is distributed via the network. The proposed system uses the DHCP's characteristic: first-come-first-served. We inject a DHCP server which can respond to the client faster than the original one. Only netboot clients that receive the injected server's DHCP message faster than the original server can boot the different computer environment. The authors constructed a prototype of the proposed method and made experiments. The results show: (1) the original server's response is slower than the injected one because of the delay of the DHCP relaying, (2) the relaying delay would be reduced if the DHCP requests are concentrated.
著者
高田 真吾 佐藤 聡 中井 央 杉木 章義 新城 靖
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2012-IOT-16, no.12, pp.1-6, 2012-03-08

大学のような多数の計算機を保有する組織では,その稼働率を上げることが課題となっている.本研究では,ネットワークブートされる計算機資源を有効活用するため,局所的に通常とは異なる計算機環境を配信する手法を提案する.提案手法では,ネットブートで利用される DHCP が早い者勝ちのプロトコルであるという特徴を利用し,既存の DHCP サーバよりも早く応答する DHCP サーバをネットワークに接続し,そのサーバからの応答が届く範囲にのみ,通常とは異なる計算機環境を配信する.提案手法を実際に筑波大学の端末室に適用し評価実験を行ったところ,本来の DHCP サーバからの応答はリレーにより遅延し,接続した DHCP サーバからの応答が先に端末に到達することを確認した.また,この遅延による時間差は,DHCP サーバへのリクエストが集中した場合には小さくなることを示した.
著者
板野 肯三 新城 靖 佐藤 聡 中井 央
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

現在のWorld Wide Webは、クライアント・サーバ・モデルに基づき構築されている。この形態は、個人情報の繰り返し入力、サーバでの安全な保管、および、攻撃やクロスサイト・スクリプティング攻撃を防ぐことが簡単ではないという問題がある。これらの問題を解決するために、本研究では、現在のWorld Wide Webのアーキテクチャを再設計する。具体的には、本研究では、サービス提供者側から利用者側を呼び出す(コールバックする)という方法を用いる。本研究では、コールバックのプロトコルを設計し、それに基づき新たにWebサーバ、Webブラウザ、ルータ、個人情報バンクを実現し、提案手法を検証した。