著者
橋本 みのり 山口 由二 末松 加奈 中井 睦美 寺田 浩司 沼口 博 小西 政幸
出版者
大東文化大学教職課程センター事務室
雑誌
教職課程センター紀要 = Journal of Center for Teacher Development and Educational Research, Daito Bunka University (ISSN:24324140)
巻号頁・発行日
no.2, pp.155-159, 2017-12

著者らは、板橋区の小学校で土曜日の学習および自然体験ボランティアに参加しており、「いきいき寺子屋」制度が確立したあとも、その中の1クラブとして"自然観察班"と名付け、理科系教員を中心に、NPOや他大学のボランティアも含めて、約月1回の寺子屋行事を行ってきた。本報告では、これらの観察•実験事業を振り返り、通常の理科や生活の授業との違い、および、特徴的な教育効果について報告する。
著者
中井 睦美 中井 均
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.114, no.4, pp.170-179, 2008-04-15
参考文献数
26
被引用文献数
8 1

初等教育教員免許取得希望大学生および中等教育理科教員免許取得希望大学生を対象として実施したアンケート結果を解析したところ,現在の高等学校の教科科目選択制度のもとで,理科4科目(物理・化学・生物・地学)をまんべんなく学習してきた学生は1割程度であり,多くの学生は化学・生物の2科目のみを履修していることが明らかとなった.また,ゆとりをめざす教育による度重なる学習指導要領の改訂によって,小学校・中学校・高等学校の理科の時間数は大きく減少し,その結果,教職課程を履修する学生が小学校・中学校・高等学校を通じて行う実験・観察の絶対的な時間数は減少している.特に,小学校理科の授業内容の約60%は地学・生物に関した内容であり,実験・観察も多く,初等教員養成系学生の理数系学力の低下は深刻な問題である.この状況を改善するためには,現在考えられている現職教員への研修制度の充実や,理科支援教員制度の創設だけでは不充分である.教育職員免許法・学習指導要領を変えて,小学校・中学校・高等学校での理科の時間数を増やし,実験・観察の機会を増加させる,免許更新の研修制度に教科研修を大幅に導入する,全ての小学校に理数系教科の専科教員を導入する,理数系教科専科教員の専門性の認定をする制度をつくる,などの方策の検討が必要である.