著者
新矢 博美 芳田 哲也 寄本 明 中井 誠一
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

年齢階級を考慮した1日の水分摂取基準を算定することを目的として、乳児・幼児や児童および高齢者を対象に体重計測により1日の水分摂取量や発汗と不感蒸泄による水分損失量(ΣS)を夏季および冬季に測定して、若年成人の値と比較した。1日のΣSは環境温度や活動量の上昇に伴い増加したが、高齢者は成人と同様で、児童、乳児、幼児は若年成人に比べて、それぞれ1. 1倍、1. 9倍、2. 0倍であった。これらの倍率を用いることにより、年齢階級を考慮した水分摂取基準を算定することが可能と考えられた。
著者
中井 誠一 星 秋夫 寄本 明 新矢 博美 芳田 哲也
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

わが国の運動時熱中症予防指針は発表以来18年を経るに至り,様々な研究成果が積み上げられ,熱中症予防に関する新たな知見が得られたと考えられる。熱中症発生実態では子どもと高齢者に多いこと,暑熱順化や着衣条件が関係することが発生要因として指摘された。そこで,WBGT28℃以上を厳重注意(激しい運動は中止)とし,暑熱順化不足,子どもと高齢者および全身を覆う着衣の場合については従来の基準1 段階下げるWBGT25℃以上(気温では28℃以上)を厳重注意とすることを提案した。
著者
芳田 哲也 中井 誠一 新矢 博美 寄本 明
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

体重計測より測定した成人男女における水分出納の結果について, 季節(環境温度)別に発汗と不感蒸泄による水分損失量(ΣS)と身体活動量(エネルギ消費量)との相関を求めた.この回帰式からに季節別・身体活動レベル別にΣSを算出し, さらに排便・排尿による水分損失量(ΣU)を加えて身体活動レベル毎の水分摂取基準を季節別に示した. また生活現場応用を目的として, 冬季の身体活動レベルが低い(I)時のΣSを基準として, その差分を季節・身体活動レベル別に求めた. その結果, 標準体重を有する普通の活動レベル(II)である日本人では, 冬季の低い活動レベル(I)に比べて夏季では男性1.1kg, 女性0.9kg程度多く水分を摂取する等, 現代日本人(成人男女)における具体的な水分摂取基準を作成・提示できた。