- 著者
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中尾 恭三
- 出版者
- 大阪大学
- 雑誌
- 研究活動スタート支援
- 巻号頁・発行日
- 2011
ヘレニズム時代、諸ポリスは自国の安全のため都市・領域・神殿の不可侵(アシュリア)を認める条約を締結するよう諸国に求めた。前 3 世紀アシュリア条約が記録されるようになった当初は、神殿で開催される祝祭期間中の休戦条約から発展したものであった。前 3 世紀半ば以降、この神殿への不可侵が神殿を含むポリスの領域にまで敷衍されていき、付帯条項のよって不可侵を定義していくことによって、ヘレニズム時代におけるポリスの外交上の戦略として用いられるようになる。 このアシュリアが、一国では生存の難しい古代地中海のポリスにとって、他国とのネットワークを形成し、長期的に維持する基盤の 1 つとしてはたらいていた。