- 著者
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中山 勉
- 雑誌
- 日本獣医生命科学大学研究報告 (ISSN:18827314)
- 巻号頁・発行日
- vol.62, pp.1-7, 2013-12
茶カテキン類の,(-)-epicatechin (EC),(-)-epigallocatechin (EGC),(-)-epicatechin gallate(ECg),(-)-epigallocatechin gallate (EGCg)について,リン脂質二重層やタンパク質との相互作用を,HPLCやQCMなどの方法を用いて解析した。その結果,リン脂質とタンパク質の両者に対して,ECgとEGCgなどのガレート型カテキン類がECやEGCなどの非ガレート型カテキン類よりも高い親和性を示すことが明らかになった。これにはガロイル基の存在による疎水結合が大きな役割を果たしていると考えられる。ECgやEGCgなどのガレート型カテキン類とリン脂質との相互作用に関して,固体および溶液NMR法によりさらに詳しい解析を行った。その結果,これらのカテキン類はリン脂質膜を構成するホスファチジルコリンのγ-メチル基の近傍に存在し,疎水性相互作用を行っている可能性が示唆された。以上の相互作用はカテキン類の味質にも深く関連していることが明らかになった。