著者
石井 剛志 新井 映子 中山 勉
出版者
神戸学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

茶ポリフェノールの渋味の発現機構を生体成分との分子間相互作用の観点から解き明かすことを目的として研究を実施した。タンパク質(カゼイン)の凝集能やリン脂質膜への結合能を評価するための実験系を構築し、味認識装置やヒト官能試験の結果を基に解析・改良することで、新しい渋味の評価法を開発した。これらの評価法を用いてカテキン類やテアフラビン類の渋味特性を解析し、茶ポリフェノールの渋味の発現機構を提案した。
著者
中山 勉
出版者
University of Tokyo(東京大学)
巻号頁・発行日
2014

審査委員会委員 : (主査)東京大学准教授 藤原 聖子, 東京大学教授 鶴岡 賀雄, 東京大学教授 市川 裕, 国際基督教大学教授 森本 あんり, 立教大学教授 久保田 浩
著者
中山 勉
雑誌
日本獣医生命科学大学研究報告 (ISSN:18827314)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.1-7, 2013-12

茶カテキン類の,(-)-epicatechin (EC),(-)-epigallocatechin (EGC),(-)-epicatechin gallate(ECg),(-)-epigallocatechin gallate (EGCg)について,リン脂質二重層やタンパク質との相互作用を,HPLCやQCMなどの方法を用いて解析した。その結果,リン脂質とタンパク質の両者に対して,ECgとEGCgなどのガレート型カテキン類がECやEGCなどの非ガレート型カテキン類よりも高い親和性を示すことが明らかになった。これにはガロイル基の存在による疎水結合が大きな役割を果たしていると考えられる。ECgやEGCgなどのガレート型カテキン類とリン脂質との相互作用に関して,固体および溶液NMR法によりさらに詳しい解析を行った。その結果,これらのカテキン類はリン脂質膜を構成するホスファチジルコリンのγ-メチル基の近傍に存在し,疎水性相互作用を行っている可能性が示唆された。以上の相互作用はカテキン類の味質にも深く関連していることが明らかになった。
著者
島村 裕子 増田 修一 柳田 顕郎 中山 勉 伊藤 創平
出版者
静岡県立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

ブドウ球菌毒素 (SEA) とポリフェノールにおける相互作用および毒素活性抑制能の作用機序を検討した。その結果、リンゴ由来プロアントシアニジン (AP) およびEGCGは、SEAの毒素活性発現部位と相互作用することが示唆された。また、APおよびEGCGは、脾臓細胞においてSEAが誘導する細胞増殖およびIFN-γ産生を抑制した。さらに、SEAと相互作用するポリフェノール類は、バイオフィルム関連遺伝子の発現およびSEA遺伝子伝播を抑制した。今後は、SEAとポリフェノールの相互作用が毒素活性発現に及ぼす影響の詳細について明らかにするとともに、SEA遺伝子伝播のメカニズムについても検討する予定である。