著者
中山 雄二朗 小寺 厚志 宮崎 直樹 上妻 精二 瀧 賢一郎 大島 秀男
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.223-231, 2012 (Released:2012-04-25)
参考文献数
13

われわれは,過去5年間にArtzの基準で重度熱傷と分類され,熊本医療センターで手術が施行された46症例を対象として,在院死亡の予測因子を検討した.各因子の予測の精度はReceiver Operating Characteristic曲線下面積(AUC)で検討した.在院死亡は12例で在院死亡率は約26%であった.AUCは熱傷指数で0.88,熱傷予後指数で0.85,総熱傷面積で0.84,受診時の白血球数で0.84と,それぞれ高値を示した.白血球数は一般的かつ簡単に測定される検査値であるが,算出が複雑な熱傷予後指数や総熱傷面積と同程度に,重度熱傷患者の在院死亡の予測に有用な因子である可能性が示唆された.
著者
中山 雄二 佐藤 明雄 吉田 彰顕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-I, エレクトロニクス, I-光・波動 (ISSN:09151893)
巻号頁・発行日
vol.77, no.11, pp.640-648, 1994-11-25
参考文献数
15
被引用文献数
28

高速無線アクセスを実現するためミリ波帯が大きく注目され,屋内におけるマルチパス伝搬研究等が活発化してきている.本論文では,ミリ波帯の屋内高速ディジタル伝送特性の評価法を新しく提案している.まず屋内のマルチパス環境下における広帯域伝搬特性の測定を行い多重波構造を明らかにしている.次に多重波環境下におけるディジタル伝送特性を定量化するため,4PSK-100Mbit/sの変復調装置とマルチパスフェージングシミュレータにより10^<-4>の符号誤り率が生じるときの希望波と干渉波の所要レベル比(D/U)を評価した.その結果,干渉波の遅延時間がそのシンボル長を越える場合,符号誤り率は希望波と全干渉波のレベルの比(D/U_T)で決定され,干渉波の遅延時間には依存しないこと,干渉波数の増大と共に所要D/U_Tはその符号誤り率を与えるS/N(N:ガウス雑音)に漸近することを明らかにした.以上の結果から屋内高速無線通信におけるD/Uを用いた回線設計法を提案している.