著者
遊馬 邦之 貴田 寿美子 岳藤 一宏 新沼 浩太郎 青木 貴弘 坪野 公夫 中島 啓幾 大師堂 経明
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J98-A, no.3, pp.296-308, 2015-03-01

空間FFT電波干渉計は,光学レンズと同様な原理をもつフーリエ結像型の電波アンテナである.格子点上に並んだアンテナアレーとその出力を処理する空間FFTプロセッサが一体となって電波干渉計として機能する.今回開発した空間FFT電波干渉計は,電波天体を高速で連続的に撮像することが可能である.空間FFTによる高速撮像の原理を実証するために,1次元及び2次元のアンテナアレーをもつ幾つかの電波干渉計が作られた.その中でも,栃木県にある早稲田大学那須パルサー観測所に設置された直径20 mの電波望遠鏡8素子からなるアンテナアレーは最大規模の干渉計であり,角度分解能0.1°の性能を有している.このアンテナアレーと,そこに組み込まれたFFTプロセッサによって,50 nsごとの連続撮像が可能な電波望遠鏡が実現した.このような原理に基づく電波望遠鏡の建設は世界で初めてであり,これにより空間FFT電波干渉計の原理動作と有効性が確認された.現在ではこれらの電波干渉計を用いてトランジェント天体やパルサーの探査観測が行われている.
著者
中島 啓幾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.476, pp.41-46, 2009-03-02

1980年代後半にギガビット基幹伝送用のチャープ抑制外部変調器として登場したLNは20年を経た今日もフォトニックネットワークの研究開発から実用に至るさまざまな場面で活躍している.1960年代からの各世代毎でその評価が大きく変動しながらも現実には捨てられず,しぶとく生き残ってきた背景と本質はどこにあるのであろうか?浅学ではあるが,筆者の実体験にもとづく理解を本稿に記すことで次代を担うべき研究者・技術者に伝承するところが僅かでもあればこのうえない幸せとなろう.