- 著者
-
中島 憲一郎
- 出版者
- 公益社団法人 日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, no.3, pp.135-159, 2000 (Released:2001-06-29)
- 参考文献数
- 199
- 被引用文献数
-
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化学反応の結果生じる発光を計測して,反応基質そのものや反応に関与する化合物を分析する化学発光計測法は,高感度で選択的な方法の一つとして良く知られている。特に,化学発光は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)やイムノアッセイの検出系に利用され,超高感度な分析法が開発されている。本論文では,化学発光の歴史について簡単に触れた後で,代表的な発光反応の機構や特性を概説し,化学発光計測を利用する分析法についてHPLCなどのフロー分析法への応用研究を中心に詳述した。応用研究については,化学発光試薬を詳述するとともに,化学発光計測の特長である高感度性を利用する生体成分などの微量物質の分析例を多数紹介した。また,新規な化学発光計測あるいは発光試薬を紹介し,それらの分析化学的な応用性について概説した。