著者
安達 由洋 小林 卓 中島 祐一 土田 賢省 夜久 竹夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション
巻号頁・発行日
vol.98, no.442, pp.49-56, 1998-12-04

グラフ文法はパターン認識に関する研究を起源とし、その後VLSIレイアウト, ソフトウェア工学, その他様々な分野で幅広く応用されている。このような研究において, 多くのグラフ文法が提案されているが, 利用されているグラフ文法の多くは文脈自由グラフ文法であり, 文脈依存グラフ文法を利用しているものはあまり多くない.本研究では, Rozenberg[1]によるedNCEグラフ文法を拡張してedNCE文脈依存グラフ文法を定義する.さらに, edNCE文脈依存グラフ文法の部分集合となるdNCE文脈依存グラフを定義する.次に, この文脈依存グラフ文法の応用したブロック線図文法について述べる.最後に, この文脈依存グラフ文法に基づいた構文解析アルゴリズムについて説明する.
著者
中島 祐一 中村 雅子 酒井 一彦 御手洗 哲司
出版者
沖縄科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

南西諸島には400種以上ものサンゴが生息しており、種多様性豊かなサンゴ礁を形成しているが、近年の地球規模・地域規模の撹乱の影響でサンゴ礁の減衰が懸念されている。サンゴ個体群がどのように維持されているかを評価することは、個体群動態を予測する上で必要不可欠である。本研究では集団遺伝学・ゲノム学的手法を駆使してサンゴ個体群の遺伝解析を行った。大隅諸島、琉球列島、大東諸島、小笠原諸島のアザミサンゴ属で一塩基多型(SNPs)解析を行った結果、琉球列島内では個体群間のコネクティビティが高いこと、小笠原諸島は他の解析地域間とのコネクティビティが低く長期にわたるタイムスケールでも移住がほとんどないことが示唆された。このことは、地理的距離が遺伝的なコネクティビティを維持することに重要であること、飛び石状の生息地がない場合には幼生分散や分布拡大が制限されることを示す。また、前年度までに開発したマイクロサテライトマーカーのうち9遺伝子座を用いて、屋外水槽内のハナヤサイサンゴ属の親子関係を解析した。その結果、親候補となるハナヤサイサンゴ種を複数飼育していたものの、幼サンゴ25群体は1種類のハナヤサイサンゴ種に由来し、さらに無性生殖に由来するクローンであることが判明した。ハナヤサイサンゴのクローンは物理的な破片分散だけでなく、他の地域でも報告されている無性的なプラヌラ幼生の放出でも起こりうる。一方、人工的な飼育環境によるストレスでポリプの抜け出しが起こった可能性も考えられる。さらに、同じ属でも種類によって無性生殖のプロセスに大きな違いがある可能性も示唆された。