- 著者
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斎藤 泰紀
赤荻 栄一
永元 則義
佐藤 雅美
岡田 信一郎
太田 伸一郎
今井 督
須田 秀一
橋本 邦久
仲田 祐
中川 潤
佐藤 博俊
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
- 雑誌
- 気管支学
- 巻号頁・発行日
- vol.6, no.2, pp.151-161, 1984
喀痰細胞診により発見された胸部レ線写真無所見肺癌21例について, 気管支鏡検査による局在部位同定法とその所見を検討した。全例扁平上皮癌であったが, 亜区域支より末梢に局在するものがあった。11例は, 正常粘膜からの高さが約2mm以上あり, ポリープ状隆起, 結節状隆起, 扁平な隆起等の目立つ所見を呈した。7例は, 約2mm以下の小結節, 表面の扁平な隆起・腫脹, 表面の不整等の目立たない所見を呈した。3例は無所見で, 気管支鏡可視範囲内にあっても病変が微細で認識できなかったものが2例, 気管支鏡可視範囲外の末梢にあり, レ線写真でも確認できなかったものが1例であった。これらの症例は, 気管支鏡下に, 気管支分泌物・洗浄吸引物・擦過物の細胞診, および生検を系統的に用いることにより, 局在部位を同定することが可能であった。