著者
小田 隆弘 磯野 利昭 中川 英子
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.180-185, 1983

1981年8月28日から30日まで韓国 (釜山) を旅行した福岡市内一民間会社職員27名のうち16名 (発症率59.3%) が在韓中の8月29日昼すぎから帰国後の9月1日朝にかけて, 下痢 (93.8%), 腹痛 (87.5%), 脱力感 (68.8%), 頭痛 (62.5%), 発熱 (37.5%), 吐気 (12.5%), 嘔吐, 悪感 (各6.3%) を訴える集団下痢症例が発生した.下痢は水様ないしは粘液便, 回数は最高10回, 平均4.5回で, 発熱は最高38.5℃, 入院を含めた臥床者が7名いたが死亡者はなく, 経過は良好で数日後に全員回復した. 患者の発生は31日をピークとする一峰性を示した. 在韓中の食事または飲料水が疑われたが感染源の推定はできなかった.<BR>細菌学的検査の結果, 患者13名中10名の便より毒素原性大腸菌 (ST<SUP>+</SUP>LT<SUP>-</SUP>) が検出され, 血清型別により, 034: H10と型別不能の2種の毒素原性大腸菌による複合感染事例である事が判明した.
著者
重川 純子 中川 英子
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究では長期記帳家計簿を資料に家計動態と生活変容の分析を行った。ライフサイクル上のイベントや石油危機等の経済環境の変化に継続的積極的な貯蓄で対応していた。臨時費は消費支出中の大きな割合を占め、費目別月別消費額の変動は大きいが、消費支出額の変動係数は安定的であり、記帳による可視化が消費の平準化に資することが示唆される。循環性の観点による食生活、衣生活の生活変容について、社会的には変化が大きい中、個別世帯の中では変化が小さいことが示された。