著者
鶴谷 広一 中川 雅夫 木曽 英滋 古川 恵太
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.986-990, 2005
被引用文献数
4

鉄鋼スラグと浚渫土砂の干潟材料への適用性を調べるため, 水槽を用いて実験を行った. 水槽に鉄鋼スラグと底泥を適当な割合で混合して敷き詰め, ポンプで海水をくみ上げて, 底質の上に常時かけ流した. 底質の状況を調べるため, 表層の強度を貫入式強度計で測定し, 底質の間隙水を採取してそのpH, 全窒素, 全りん, 全鉄, COD, TOCについて測定を行った. 底質中の生物の生息状況を把握するため, メイオベントスとマクロベントスの分析を行った. 製鋼スラグを用いた底質では, 間隙水のpHが海水より若干高めであったが, 生息するベントスは自然材料と比べて特に大きな差は見られず, 干潟への適用に可能性が開けた.