著者
山畑 佳篤 入江 仁 太田 凡 山脇 正永
出版者
京都府立医科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

バリデーションスタディにより、モーションキャプチャーカメラと音声補助による胸骨圧迫の質評価システムを用いることで評価者の評価の質が向上することが示された。一つ目のランダム化比較試験により、音楽が質の高い胸骨圧迫の習得に有益であることが示された。音楽の中でもテンポが112回/分のリズムで8ビートの楽曲の効果が高いことが示された。二つ目のランダム化比較試験により、音楽および音声補助を用いた教育法が質の高い胸骨圧迫の習得に効果が高いことが示された。教育効果維持のためには音楽の効果が高いことが示された。研究成果として作成した替え歌は、国民への興味喚起、普及への一助となった。
著者
山下 雅知 明石 勝也 太田 凡 瀧 健治 瀧野 昌也 寺澤 秀一 林 寛之 本多 英喜 堀 進悟 箕輪 良行 山田 至康 山本 保博
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.7, pp.416-423, 2008-07-15 (Released:2009-07-25)
参考文献数
17
被引用文献数
9 9

日本救急医学会救急科専門医指定施設に対してアンケート調査を行い,ER型救急医療の実施状況を調査した。408施設中283施設からアンケートの回答が得られ,有効回答は248施設であった(有効回答率88%)。このうち24時間または一部の時間帯でER型救急医療を行っていると回答した施設は150存在した(248施設の60%,24時間82施設,一部の時間帯68施設)。150施設中,救命救急センターは64施設,日本救急医学会指導医指定施設は23施設,大学病院は38施設存在した。150施設の病床数,年間救急患者数,救急搬送患者数の最頻値は,それぞれ501~750床,10,001~20,000人,2,001~4,000人であった。救急医及びER型救急医数は 1 ~16人以上と広い分布を示したが,最頻値はともに 1 ~ 3 人であった。ER型救急医療は,150施設中139施設で初期臨床研修に活用されていた。ER型救急医の後期研修プログラムは68施設で実施され,36施設で準備中であった。24時間ER型救急医療を実施している施設では,一部の時間帯で実施している施設に比して,救急医数・ER型救急医数ともに有意に多かった。以上から,日本救急医学会救急科専門医指定施設の60%でER型救急医療が実施されていること,ER型救急医療を実施している施設において救急医及びER型救急医の人的資源は十分とはいえないこと,が明らかとなった。今後も増加が予想される救急患者に対応するために,救急科専門医及びER型救急医をどのように育成していくかについて,国家的な戦略が必要であると考えられた。