著者
杉岡 良彦 中木 良彦 伊藤 俊弘 西條 泰明 吉田 貴彦
出版者
旭川医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、宗教が重視する「感謝」の気持ちに注目し、感謝が免疫細胞(ナチュラルキラー(NK)細胞)活性に影響を及ぼすのかどうか、また心理テストでどのような変化が認められるのかを研究した。感謝の気持ちを高める方法は、内観療法を応用した方法を用いた。その結果、NK細胞活性には変化が認められなかったが、「主観的幸福感」を評価する質問票では、「心の健康度」が改善した。さらに「心の健康度」の中では「人生に対する前向きな気持ち」が優位に改善した。「生活の質」を測定する質問票でも有意な改善を認めた。
著者
西條 泰明 中木 良彦 川西 康之 吉岡 英冶 伊藤 俊弘 吉田 貴彦
出版者
厚生労働統計協会
雑誌
厚生の指標 (ISSN:04526104)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.1-6, 2015-05

雑誌掲載版目的 北海道内の居住地域から,脳梗塞アルテプラーゼ静注療法の実施できる脳卒中急性期医療拠点病院への自動車アクセス時間について地理情報システム(GIS)ソフトウエアを用いて推定し,またアクセス時間を短縮することで改善するための拠点病院配置案を示すことを目的とした。方法 北海道医療計画に掲載されている61医療機関を脳卒中急性期医療拠点病院とし,平成22年国勢調査における町丁字別人口に1人以上の居住者が存在する地区ごとに,直近の拠点病院への自動車アクセス時間を推定した。二次医療圏・市町村ごとのアクセス時間は町丁字別人口居住者数の重み付けをした平均値として算出した。またアクセス時間を改善するための拠点病院配置案については,二次医療圏ごとにアクセス時間上位の二次医療圏へ,7医療機関を新たに割り当てたアクセス時間改善案の検討も行った。結果 61拠点病院へのアクセス時間について,平均60分以上となる二次医療圏が6医療圏存在し,うち90分以上は5医療圏であった。アクセス時間を改善するための拠点病院追加案については,(1)二次医療圏でアクセス時間が平均60分以上であり,医療圏内に拠点病院が設定されていない6医療圏,(2)アクセス時間60分以上に該当する人数が,約7万4千人と医療圏では2番目に多い1医療圏に1拠点病院を追加したと仮定した。以上,計68拠点病院とした場合の二次医療圏ごとのアクセス時間を計算すると,平均60分以上は1医療圏のみとなった。結論 本研究では,GISソフトウエアを用いて,特に二次医療圏ごとの拠点病院への平均アクセス時間を示した上で,北海道の現状を考えた脳卒中急性期医療拠点病院の例を示した。脳梗塞急性期治療については,二次医療圏や自治体ごとのアクセス状況を検討し,地域の現状を考えて改善案を考えていく必要があると考える。
著者
川西 康之 Sharon J. B. HANLEY 田端 一基 中木 良彦 伊藤 俊弘 吉岡 英治 吉田 貴彦 西條 泰明
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.221-231, 2015 (Released:2015-06-25)
参考文献数
45

目的 妊娠中のヨガ(マタニティ・ヨガ)実践の効果について,近年様々な予防的,治療的効果が研究報告されている。それらをランダム化比較対照試験(RCT)に限って系統的に整理した研究報告は認められていない。本研究の目的は,系統的レビューによって,RCT として報告されているマタニティ・ヨガの効果と,その介入内容,介入方法,実践頻度の実態とを明らかにすることを目的とする。方法 文献検索には,米国立医学図書館の医学文献データベース PubMed を用いた。採用基準として,研究デザインが RCT であり,対象者を妊娠中の女性,介入内容をヨガの実践とする論文を採用した。結果 結果54編が検索され,このうち採用基準に合致した8研究10編を対象とした。健常妊婦を対象とした 4 研究において,その効果を報告した項目は,分娩時の疼痛・快適さ,分娩時間,妊娠中のストレス,不安,抑うつ,妊娠関連ストレス,QOL(生活の質),対人関係の一部であった。うつ状態の妊婦を対象とした 2 研究では,抑うつ,不安,怒り,足の痛み,背部痛などが改善するとの報告と,抑うつ,不安,怒りなどの改善は対照群と同等とするものがあった。肥満や高齢等のハイリスク妊婦を対象とした 1 研究では,妊娠高血圧症候群,妊娠糖尿病,子宮内胎児発育遅延が有意に少なく,ストレスも減少していた。腰痛妊婦を対象とした 1 研究では,腰の痛みの自覚が改善していた。介入内容・介入方法・実践頻度において,介入内容は,抑うつの妊婦を対象とした 2 研究が身体姿勢のみであったのに対し,他の 6 研究では身体姿勢に加え呼吸法と瞑想が行われていた。介入方法は,講習のみのものと,自宅自習を併用するものとがあった。実践頻度は,報告によって様々であった。結論 マタニティ・ヨガにより,妊婦の腰痛が改善する可能性が示唆された。他に精神的症状(ストレス,抑うつ,不安など),身体的症状(分娩時疼痛など),周産期的予後(産科的合併症,分娩時間など)などが改善する可能性も示唆されていたが,今後もさらなる検証が必要と考えられた。介入内容・介入方法・実践頻度は研究により異なっており,対象者の特徴や各評価項目に沿った,効果的な介入内容,介入方法,実践頻度を検討する必要がある。今後も,RCT を中心とした研究報告が行われることが期待される。