著者
大場 隆之 中村 友二
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.75-81, 2020-02-10 (Released:2020-02-10)
参考文献数
72

多様に進化した3次元集積技術をレビューする.電子情報産業は,半導体デバイスとシステムの機能および市場性を両輪として300兆円規模に発展した.これらを牽引(けんいん)してきたのが微細化と実装技術である.ところが,微細化は物理限界に近づき,また実装性能は頭打ちになりつつある.3次元集積技術は,これら2つの課題に対する新たなブレークスルーとして今後進展することが期待されている.本稿では,さらなる高集積化,高機能化に向け,前工程・後工程それぞれの世界で開発が進められた3次元積層技術を振り返り,筆者らが開発したウェーハレベル3次元集積技術について紹介する.
著者
内堀 千尋 リー マイケル ザン シフォン ホー ポール 中村 友二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.428, pp.45-49, 2009-02-02
被引用文献数
1

フリップチップ実装(FCBGA)において実装基板とチップの熱膨張係数の違いにより生じる熱応力が低誘電率層間膜と銅を用いた多層配線の機械的信頼性に与える影響を調べた。有限要素法(FEA)を用いた応力計算と仮想亀裂進展法(MVCC)により求められるエネルギー開放率(ERR)を用い、特定の界面に加わる剥離駆動力を求め機械的信頼性を評価した。均一な層間膜を用いた場合ERRは上層の界面で高いが、異なる物性値をもつ層間膜の組み合わせることでERRの大きさを制御できることが明らかになった。また剥離面より上部に形成された層の物性値や膜厚の組み合わせがERRの大きさに影響することや、剥離長とともにERRが高くなることも明らかになった。これらの結果を基に、65nm世代以降のCu/low-k多層配線の機械的信頼性向上技術について議論する。