著者
中村 容子
出版者
コンテンツツーリズム学会
雑誌
コンテンツツーリズム学会論文集 (ISSN:24352241)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.79-88, 2018 (Released:2021-09-01)

山梨県では、1956年に観光事業振興5ヵ年計画を立て、戦国武将武田信玄の観光活用を開始した。高度経済成長期の最盛期の1969年に、大河ドラマ「天と地と」が放映されると、同年に武田信玄の銅像の建立、放映後の1970年に「信玄公祭り」が創作され、これらは観光客の増加に拍車をかけることになった。その反面、武田信玄関連の史跡の荒廃が問題視された。 「武田信玄」放映に際しては、バブル経済の好景気を背景に、大河ドラマのロケ地建設や武田信玄関連史跡の整備が行われた。しかし、放映後の観光客数は放映前の数値に戻った。また,観光客によるゴミ投棄や違法駐車など地域住民に対する迷惑行為がみられた。そして、「風林火山」は、甲府市中心商店街の活性化を意図した観光客誘致の新たな取り組みがみられた。 山梨県を舞台とした大河ドラマ3作品は観光活用に寄与しており,そこには大河ドラマの作品内容の違いや当時の社会情勢が反映されており、個々に異なる観光活用を行ったといえる。
著者
中村 容子
出版者
地理空間学会
雑誌
地理空間 (ISSN:18829872)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.221-232, 2016 (Released:2018-04-04)
被引用文献数
1

本稿は,NHK大河ドラマを活用した観光振興について,大河ドラマ「功名が辻」(2006)と「龍馬伝」(2010)で舞台となった高知市を取り上げ,行政や関連団体の取り組みの違いが観光客誘致にどのように影響したかを明らかにした。この二つの大河ドラマは,誘客数と自治体の取り組みに違いが表れた。2006年は,土佐藩主の山内一豊を活用し観光振興を行ったが,観光客の増加は一時的なもので継続性はなかった。一方,2010年の坂本龍馬を活用した観光振興では放映前年から観光客数が増加し,放映後も観光客が漸増した。歴史上の人物である坂本龍馬を継続活用した自治体による観光振興は,観光客の継続的な誘致という点では,高知市の観光客誘致に一定の効果があったといえる。
著者
中村 容子
出版者
Japan Association on Geographical Space
雑誌
地理空間 = Geographical space (ISSN:18829872)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.221-232, 2016

本稿は,NHK大河ドラマを活用した観光振興について,大河ドラマ「功名が辻」(2006)と「龍馬伝」(2010)で舞台となった高知市を取り上げ,行政や関連団体の取り組みの違いが観光客誘致にどのように影響したかを明らかにした。この二つの大河ドラマは,誘客数と自治体の取り組みに違いが表れた。2006年は,土佐藩主の山内一豊を活用し観光振興を行ったが,観光客の増加は一時的なもので継続性はなかった。一方,2010年の坂本龍馬を活用した観光振興では放映前年から観光客数が増加し,放映後も観光客が漸増した。歴史上の人物である坂本龍馬を継続活用した自治体による観光振興は,観光客の継続的な誘致という点では,高知市の観光客誘致に一定の効果があったといえる。