- 著者
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中村 容子
- 出版者
- 地理空間学会
- 雑誌
- 地理空間 (ISSN:18829872)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, no.2, pp.221-232, 2016 (Released:2018-04-04)
- 被引用文献数
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本稿は,NHK大河ドラマを活用した観光振興について,大河ドラマ「功名が辻」(2006)と「龍馬伝」(2010)で舞台となった高知市を取り上げ,行政や関連団体の取り組みの違いが観光客誘致にどのように影響したかを明らかにした。この二つの大河ドラマは,誘客数と自治体の取り組みに違いが表れた。2006年は,土佐藩主の山内一豊を活用し観光振興を行ったが,観光客の増加は一時的なもので継続性はなかった。一方,2010年の坂本龍馬を活用した観光振興では放映前年から観光客数が増加し,放映後も観光客が漸増した。歴史上の人物である坂本龍馬を継続活用した自治体による観光振興は,観光客の継続的な誘致という点では,高知市の観光客誘致に一定の効果があったといえる。