著者
中村 正広 野々村 祝夫 並木 幹夫 奥山 明彦 高 栄哲 近藤 宣幸 竹山 政美 清原 久和 藤岡 秀樹
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.1362-1366, 1989-09-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
23
被引用文献数
1

ヒト精巣におけるDNA合成, RNA合成, 蛋白合成の至適温度を検討するために, 培養ヒト精巣組織への3H-チミジン, 14C-ウリジン, 14C-ロイシンの取り込みを28℃~43℃の温度条件で観察した. その結果, RNA合成, 蛋白合成は温度依存性に増加し, 37~40℃で最大になると考えられたが, DNA合成は31℃で最大となり, 微妙な温度感受性を示すと判断された. 従って, 精巣温度上昇による造精障害の根本原因の1つとして精巣DNA合成の障害が推察された.