著者
中村 正広 野々村 祝夫 並木 幹夫 奥山 明彦 高 栄哲 近藤 宣幸 竹山 政美 清原 久和 藤岡 秀樹
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.1362-1366, 1989-09-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
23

ヒト精巣におけるDNA合成, RNA合成, 蛋白合成の至適温度を検討するために, 培養ヒト精巣組織への3H-チミジン, 14C-ウリジン, 14C-ロイシンの取り込みを28℃~43℃の温度条件で観察した. その結果, RNA合成, 蛋白合成は温度依存性に増加し, 37~40℃で最大になると考えられたが, DNA合成は31℃で最大となり, 微妙な温度感受性を示すと判断された. 従って, 精巣温度上昇による造精障害の根本原因の1つとして精巣DNA合成の障害が推察された.
著者
北村 雅哉 西村 憲二 三浦 秀信 松宮 清美 奥山 明彦 小森 和彦 藤岡 秀樹 古賀 実 竹山 政美
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.587-590, 2000-08

精巣内精子抽出術(TESE)のうち先天性精管欠損,ヘルニア術後,パイプカット術後など明らかな閉塞性無精子症を除いた44例を対象に非閉塞性無精子症で精子の回収を予測するパラメータを検討した.JSC,精巣容量,FSHで相関がある結果であったがJSC8以上の症例を除外すると相関はなくなり,絶対的パラメータとはなり得なかった.受精に関しては妻の年齢,精子運動性の有無,精巣容量が有意なパラメータとなった.マイクロドロップレット法を用いたCryo TESE-ICSIは新鮮精子を用いたTESE-ICSIと同等の受精率が得られ,無用なパートナーへの侵襲を避けるのに有用と思われたWe reviewed 44 cases of non-obstructive azoospermia treated by testicular sperm extraction and intracytoplasmic sperm injection (ICSI) from July, 1997 to September 1999 at our institutes. Testicular sperm were retrieved from 32 patients (72.7%). ICSI was performed on 29 patients and the partners of 15 patients (46.9%) became pregnant. Out of 10 patients with histology of Sertoli-cell-only, we could retrieve sperm from 3 patients (30%). Testicular volume, Johnsen's score count (JSC), and FSH were significant parameters to predict the recovery of testicular sperm from the patients, but if only the patients with JSC less than 8, are analyzed, none of them was significant parameter. Chromosomal abnormality was not a significant parameter. The partner's age, motility of recovered sperm and testicular volume correlated with the fertilization rate. Chromosomal abnormality or the usage of cryopreserved sperm was not a significant parameter to predict fertilization.
著者
田中 宏光 西宗 義武 奥山 明彦 辻村 晃 宮川 康 田中 宏光
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

実験動物(マウス)における精子細胞特異的遺伝子の解析からヒト男性不妊症の診断・治療法の開発を進めるため、以下の二点に焦点を絞って研究を進めてきた。1. 現在までに我々が単離したマウス精子細胞特異的遺伝子についての詳細な構造・コードする蛋白質の機能・特異的発現機構をさらに多くの新たな遺伝子について解析し、精子形成過程における役割を明らかにする。さらに、それらのヒト相同遺伝子をすべてクローニングし、その機能解析を進める。2. 精子形成機構の分子生物学的研究を通じて、ヒト男性不妊症の原因を究明する。基礎研究の成果を応用し、遺伝子変化と男性不妊症との関係を明らかにし、最新の遺伝子解析(マイクロアレー法)、蛋白質解析技術(プロテオミクス法)を用い、その診断法及び治療法の確立に役立てる。平成19年度我々は、1.マウス遺伝子の解析結果から、男性不妊症に関係することが考えられる精子細胞特異的解糖系遺伝子のヒトオーソログをクローニングし、ORF内のポルモルフィズムの解析を進めた。ヒト精液を用い、男性不妊症で有意に変化を示す蛋白質とmRNAの解析を進めた。その結果、男性不妊症特異的に変化をする蛋白質の存在を確認した。また、ヒト精液から得られたmRNAを抽出し、ヒト精子形成関連遺伝子を乗せたマイクロアレーを用いて遺伝子発現を調べる系を確立した。確立した系を用いて個体差や生活条件に影響なく妊孕性の確認された男性に安定的に発現が確認される遺伝子群を同定した。今後これら遺伝子と遺伝子産物に注目し不妊症男性不妊症特異的マーカーを確立したい。
著者
松本 充弘 難波 行臣 矢澤 浩治 市丸 直嗣 宮川 康 高原 史郎 奥山 明彦 金 眞理子 児島 康行 小角 幸人 京 昌弘
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.94, no.7, pp.685-688, 2003-11-20

症例は29歳女性,血液型はO型Rh(+).2000年にB型Rh(+)の父親をドナーとしてABO不適合移植術を受けた.移植後血清クレアチニン(s-Cr)値は1.1〜1.2mg/dlまで改善し第53病日に退院した.しかし,第460病日頃より徐々に腎機能悪化を認めたため,第520病日に腎生検術を施行し「間質性腎炎を伴う慢性移植腎症」と診断した.その後,免疫抑制療法を強化するも腎機能の改善は得られず,第630病日に再度腎生検を施行した.光顕所見では,同質性腎炎と腫大した尿細管上皮細胞を認めたため,BKウイルス腎症を疑った.抗SV40抗体による免疫染色およびPCR法によるBKウイルス血症を確認し,「BKウイルス腎症」と確定診断した.腎移植後,拒絶反応治療に抵抗性を示す症例に対しては,BKウイルス腎症の検索を行う必要がある.