著者
中村美知子
出版者
山梨医科大学
雑誌
山梨医科大学紀要 = 山梨医科大学紀要 (ISSN:09105069)
巻号頁・発行日
no.15, pp.35-41, 1998
被引用文献数
2

類似エネルギー(約600kcal )でPFC(protein :fat :carbohydrate)比の異なる食物を,異なる日の朝食として健常者(n=7)が摂取し,食後の空腹感と血中脂肪酸・アミノ酸濃度の変化を調べた。その結果,食前は3回とも空腹感が強かったが,食後に満腹感を強く感じたのは蛋白食で,ついで脂質食であり,両食後5時間を過ぎても食前と比較して空腹感が強くはなかった。炭水化物食摂取5時間後は空腹感が強く耐えられない者が多かった。満腹感と有意の正相関を示したのは血清トリグリセリドとインスリン濃度であり,負相関があったのは血清総タンパク濃度だった。血漿アミノ酸は,蛋白食後に必須アミノ酸(EAA)が有意に上昇し,それとともに満腹感が増強する傾向にあり,EAAのすべてと満腹感,特に分枝鎖アミノ酸のLeu,Ile,Val や芳香族アミノ酸のPhe ,Tyr と相関が高い傾向であった。満腹感と血漿脂肪酸濃度との関係は,リノール酸とα-リノレン酸のみが満腹感と有意な正相関を示した。
著者
中村 美知子 緒方 順子 吉植 庄平
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.78-81, 1992-02-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
14

MM, MLおよびCRF患者の血漿中NEAAは健常者の値に比べ高値である。しかし, MMおよびML患者のEAA値は健常者と類似し, CRF患者のEAAは著しく低値であるために, 3疾患患者のE/N比は健常者の値と比べ有意に低値である。健常者のFischcr比は高値, ついでCRF患者, ML患者, MM患者の順であり, MMおよびML患者のFischer比は低値で健常者の値と有意差を示している。栄養状態の改善策として, CRF患者は必須アミノ酸摂取量を増加してE/N比を, MMおよびML患者は分枝鎖アミノ酸の摂取量を増加してFischer比の改善をはかる必要が示唆された。