著者
中野 亜希人 脇田 玲
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.299-303, 2014-09-12

コンピュータグラフィックスの三次元モデルを実空間で編集するインタフェースの研究が盛んである.このインタフェースのデザインは,モデリングの起点となる基本形状を物質化する手法と,造形や工作の道具を電子化する手法に大別される.しかし,近年の三次元スキャニング技術の精度や速度の進歩は目覚しく,ユーザの変形操作を翻訳するための計算機化インタフェースの恩恵は薄くなりつつある.コンピュータの高速な計算力を用いた,ユーザの創造性を拡げるための計算機支援インタフェースの開発が必要であろう.そこで筆者らは,プラトン立体型インタフェース同士の集合演算によって形状パターンを生成するシステムを開発している.複数の立体が干渉し合う状況では,ユーザは和や差,積といった集合演算の結果を想像できない場合が多い.コンピュータはそのような形状の可能性を提示することで,ユーザに新たな形状の発見を促す.
著者
中野 亜希人 脇田 玲
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.1528-1537, 2013-04-15

近年,実世界の様々なモノの形を変える研究が注目を集めている.剛体や弾性体など固体を用いた形状ディスプレイについて多くの研究がある一方,流体に着目した形状ディスプレイの研究はあまり進められていない.そこで筆者らは,磁力に引き寄せられ,変形,移動する磁性ゲルの形を幾何的かつ位相的に操作することが可能な形状ディスプレイを開発している.実世界の流体の形を操作することができれば,まったく新しいデザイン支援や発想支援の可能性を切り開くと考えられる.筆者らは,磁力のON/OFFを制御する装置と,撹拌棒ジェスチャによるインタラクションシステムを構築し,磁性ゲルの多様な変形を実現した.本論文では,磁性ゲル形状ディスプレイのシステムおよびそのインタラクション手法を示す.
著者
藤田 大樹 中野 亜希人 羽田 久一
雑誌
情報処理学会論文誌デジタルコンテンツ(DCON) (ISSN:21878897)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.1-10, 2019-02-28

氷の造形物は彫刻で作るのが一般的だが,スキルや材料の調達などの問題で誰もが簡単に製作できるわけではない.本稿では,氷の造形物を素早く印刷するための新しい3Dプリンタの手法を提案する.水とフロンガスを個別に噴霧する2つのエアーブラシを3Dプリンタに組み込むことにより,既存の3Dプリンタと同じ操作で氷の造形物を出力できる.この氷プリンタを使うことで,誰でも高速に氷の造形物を作ることが可能となる.本システムの評価として,氷のラインをパラメータを変えながら印刷し関係性を調査した.この結果から,氷の造形物を印刷するのに適したパラメータを発見した.また,既存のGCodeを氷プリンタ用のGCodeに変換するソフトウェアを実装した.これにより,ユーザは特別な知識がなくても氷プリンタ用のGCodeを作ることができる.氷の造形物は,時間の経過で溶けて完全に消失する性質を持っており,これは3Dプリンタに新しい表現を与える.
著者
脇田 玲 中野 亜希人
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2010-UBI-28, no.17, pp.1-5, 2010-10-22

Rheologic Interaction は流動的なプログラマブル・マターを用いたインタラクションデザインの試みである.その第一歩として,我々は pBlob と呼ばれる独自生成したゲル状の磁性流体を用いて,幾何的かつ位相的にその形態をプログラムできる環境を提案する.これにより,ユーザは CG におけるメタボールのように,有機的な形状の変化を実空間で体験することができる.制御ハードウェアは,ハニカム構造に配置された電磁石によって構成されており,これらの制御によって pBlob の多様な変形とアニメーションを実現する.本稿では,素材の合成手法,メカニズムの詳細,変形の操作言語について述べ,この新しいデザイン素材を用いたアプリケーションも提案する.
著者
脇田 玲 中野 亜希人
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.17, pp.1-5, 2010-10-22

Rheologic Interaction は流動的なプログラマブル・マターを用いたインタラクションデザインの試みである.その第一歩として,我々は pBlob と呼ばれる独自生成したゲル状の磁性流体を用いて,幾何的かつ位相的にその形態をプログラムできる環境を提案する.これにより,ユーザは CG におけるメタボールのように,有機的な形状の変化を実空間で体験することができる.制御ハードウェアは,ハニカム構造に配置された電磁石によって構成されており,これらの制御によって pBlob の多様な変形とアニメーションを実現する.本稿では,素材の合成手法,メカニズムの詳細,変形の操作言語について述べ,この新しいデザイン素材を用いたアプリケーションも提案する.Rheologic Interaction is an attempt of interaction design using fluid programmable matters. We have developed an environment where we can program the shape of gel geometrically and topologically using our unique magnetic fluid called pBlob. This enables us to experience organic shape changes in real space, like a metaball in the CG world. The control hardware is composed of electromagnets arranged in the honeycomb structure and their control circuits. We describe the method of blob creation, details of the mechanism and the language for transformation control, and propose some applications we are developing at present.
著者
中野 亜希人 脇田 玲
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.1528-1537, 2013-04-15

近年,実世界の様々なモノの形を変える研究が注目を集めている.剛体や弾性体など固体を用いた形状ディスプレイについて多くの研究がある一方,流体に着目した形状ディスプレイの研究はあまり進められていない.そこで筆者らは,磁力に引き寄せられ,変形,移動する磁性ゲルの形を幾何的かつ位相的に操作することが可能な形状ディスプレイを開発している.実世界の流体の形を操作することができれば,まったく新しいデザイン支援や発想支援の可能性を切り開くと考えられる.筆者らは,磁力のON/OFFを制御する装置と,撹拌棒ジェスチャによるインタラクションシステムを構築し,磁性ゲルの多様な変形を実現した.本論文では,磁性ゲル形状ディスプレイのシステムおよびそのインタラクション手法を示す.In recent years, researches on shape displays have been getting popular, which produce the new interaction between human and physical objects. We have developed an environment where we can manipulate the shape of gel geometrically and topologically with the use of our unique magnetic gel via the stirring rod. On/off control of magnetic power varies the gel shapes. We describe the details of the system and the interaction method with the stirring rod gesture.
著者
関 恵美 杉山 希 須藤 敦仁 中野 亜希人 羽田 久一
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.214-217, 2014-09-12

家庭環境全体をネットワーク化するスマートハウスは次世代の住宅として注目を集めている.スマートハウスのコントロールでは,リラックスした状態に適したインターフェイスが必要となる.そこで本研究ではスマートハウス内での利用を想定したぬいぐるみ型インターフェイスを提案し,ぬいぐるみの手足を使った握りジェスチャと振りジェスチャによって家電製品をコントロールすることができるシステムの実装を行った.