著者
東郷 俊宏 木村 友昭 形井 秀一 松本 毅 中野 亮一 金安 義文
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.90-103, 2014 (Released:2014-12-24)
参考文献数
10
被引用文献数
1

2009年に国際標準化機構(ISO)で設置が承認されたTC249では、 2010年の第1回全体会議 (北京) 以降、 2013年までに4回の全体会議を開催した。 この間、 鍼灸領域では、 鍼灸鍼の国際規格作成をscopeとするWG3と鍼灸鍼以外の医療機器の規格作成に特化したWG4の2つが設置され、 伝統医学領域の医療機器の国際規格策定が進められている。 日本としては、 現在国内に存在する関連規格 (JIS規格;厚生労働省の定める認証基準など) と齟齬を来す国際規格が策定されぬよう、全体の流れを注視しつつ議論に参画しているが、TC249に出席しているメンバーのほとんどは、臨床家や医学研究者であり、必ずしも医療機器の専門家ではないことから、議論はしばしば平行線をたどり、ハーモナイゼイションは困難な場合が多い。 本稿では、TC249における規格策定に関わってきた日本のエキスパートのうち、アカデミア2名、メーカー2名に2013年の5月に南アフリカ共和国のダーバンに於いて開催されたTC249 4th Plenary MeetingにおけるWG3, 4における議論についてそれぞれの立場から論じて頂いた。