著者
中野 健次 寺野 隆雄
出版者
NPO法人 日本シミュレーション&ゲーミング学会
雑誌
シミュレーション&ゲーミング (ISSN:13451499)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.13-27, 2006
被引用文献数
2

<p>本論文では,ケースとゲーミングシミュレーションを統合した新たなゲーム構造モデルを提案する.研究の目的は,企業経営者の意思決定領域を構造化することでビジネスゲームとして実装可能なフレームワークを構築し,併せて中期的な経営方針と短期的な事業推進の企業構造を定量化して表現することである.また提案したモデルをベースに,"アサヒスーパードライ"の新ビール開発および新市場創出のケースをシミュレートしたビジネスゲームを開発する.これにより,従来の数値ベースの事業領域に加えて定性的な企業の意思決定も扱える点を示す.さらに開発した学習システムの有用性を検証するために,経営学を学ぶ学部学生,大学院生を被験者とする評価実験を実施する.その結果に基づき,"ケースとビジネスゲームの融合"がもたらすビジネス教育に対する有用性を定量的に評価する.</p>
著者
中野 健次 海野 一則 下平 利和 松山 科子 寺野 隆雄
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.5-5, 2004

本稿では、筑波大学のビジネス・シミュレータBMDL/BMDSを利用した、両者を統合するための実践研究の結果を報告する。具体的には、わが国のビール業界で生じた経営意思決定問題を題材に、新たにゲームを開発し、その実践・評価について議論する。本論文の目的は以下のとおりである.(1) ケースメソッドで使用される多数のケースに対応可能なシナリオのモデル化を提案する.(2) 我々が利用中のビジネスゲーム開発ツールを用い,ケースメソッドに使用可能なビジネスゲームの開発の経緯とその評価について報告する. 本論文の貢献は,ケースメソッドとビジネスゲームの融合による高い学習効果をもつ新たな「経験学習」のための方法論を提案することである.