著者
井上 隆広 井上 三四郎 松延 知哉 岩崎 元気 菊池 直士 阿久根 広宣 丸塚 浩助
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.154-156, 2020-03-25 (Released:2020-04-30)
参考文献数
5

【症例】類表皮嚢腫は手指軟部組織に発生することは多いが,まれに骨内に発生する.末節骨内に発生した1例を経験したので報告する.【症例】41歳男性.12歳時に左示指を受傷し,縫合処置を受けた既往がある.1.5年前に近医で偶然示指末節骨透亮像を指摘された.半年前より特に誘因なく左示指疼痛が出現し,骨透亮像の増大を指摘され当科紹介となった.MRI検査で骨透亮部はT1強調画像で低信号,T2強調画像で高度の高信号を示し,造影効果は認めなかった.初診より1.5ヶ月後,腫瘍掻爬及び人工骨移植を行った.培養陰性で,病理学的に類表皮嚢腫と診断された.術後1年で可動域に左右差なく,疼痛も軽減し経過良好である.【考察】本症を診断する際には,手の受傷歴を丁寧に問診することが重要である.
著者
植田 雄一 牧野 裕子 西田 卓弘 落合 昂一郎 丸塚 浩助 盛口 清香 大友 直樹
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.155-159, 2022-06-01 (Released:2022-08-11)
参考文献数
8

42 歳の女性.HER2 陰性転移性乳癌に対する標準治療 が終了後,遺伝子パネル検査 FoundationOne®CDx を施行 した.ERBB2 遺伝子の増幅を認めた.また,生検検体 での HER2 IHC 法で 2+ であったため,FISH 法を施行し たところ陽性であった.抗 HER2 療法を開始したところ, 部分奏功を認めた.既存の HER2 テストでは抗 HER2 療 法の適応とならなかった症例でも,遺伝子パネル検査を 行うことで,抗 HER2 剤の適応となる症例を拾い上げる ことが可能であり,一部の乳癌患者の予後を大きく変え る可能性がある.