著者
長沼 毅 山崎 敬人 平賀 博之 丸本 浩 沓脱 侑記 岡本 英治 小茂田 聖士 山下 雅文 柏原 林造 田中 伸也 林 靖弘
出版者
広島大学学部・附属学校共同研究機構
雑誌
学部・附属学校共同研究紀要 (ISSN:13465104)
巻号頁・発行日
no.39, pp.291-296, 2010

本研究では, 地球外生命という未知の課題を解決するために, 理科で学習した内容や既知の学問を活用して, 「クリティカルシンキング」の手法を使いながら, もっとも確からしい答えに辿り着くための体験を生徒に講義し, それを通して, どのような思考の展開が必要となるかを伝える方法を研究した。ここでいう「クリティカルシンキング」とは, 「適切な基準や根拠に基づき, 論理的で偏りのない思考をする」, 「よりよい解決に向けて複眼的に思考し, より深く考えること」を意図している。具体的には, 「地球外生命探査」をテーマとして, 科学者が学問を探究していく上で, どのように思考し, その思考を発展させ, どのように証明していくか, そうした思考の過程を授業の対象として盛り込むことで, 科学者の思考を生徒に追体験させることを意図した高大連携の授業を構築することができた。この授業の内容そのものがこの研究の最大の成果だと考える。
著者
丸本 浩
出版者
広島大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

研究目的:平成22年度の先行研究に続いて,「たたら製鉄法(けら押し法)」の基礎的な実験データの積み重ねを行い,(1)「たたら製鉄法」の操作方法の改善と収率の向上,(2)「たたら製鉄法」によって作った「けら(鋼)」の加工方法の開発と工夫,(3)「鉄」や「鋼」に関する情報収集および教材開発の3つの柱を立てて研究に取り組んだ。研究方法:(1),(2)は,実際に「たたら」を操業して,さまざまなデータを計測し,得られた「けら(鋼)」の中に含まれる不純物を「電気炉」を用いて加熱・加工して取り除く実験を行った。(3)は,「たたら製鉄法」や「鉄」に関する博物館等へ行き、資料や情報を収集して教材開発を行った。研究成果:(1)平成22年度の先行研究で得られた成果をさらに発展・充実させ、鋼の収率の改善や操作時間の短縮,炭の種類の違いによる影響を緩和する操作方法の開発,収率の向上などの成果を得ることができた。(2)「たたら製鉄法」によって得られた「けら(鋼)」に含まれる不純物を,電気炉を用いて加熱・除去する操作は非常に困難な作業で,何度か試みたが納得のいくような加工ができているとはいいがたい。今後,さらに研究を継続し,教材として完成させたい。(3)「たたら製鉄法」を中心にして「鉄」や「鋼」を題材とした授業を構築するめどをたてることができた。今後、授業実践を行い,教材の完成度を高める取り組みを継続していきたい。