著者
鈴木 啓子 朝比奈 完 米山 公造 亀岡 信悟
出版者
東京女子医科大学
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.258-261, 1998-05-25
被引用文献数
3
著者
河 喜鉄 瀬下 明良 亀岡 信悟
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.347-353, 2003-05-01
被引用文献数
1

幽門側胃切除後の胃食道逆流症(GERD)の病態,評価について検討した.対象・方法:幽門側胃切除,Billroth I法再建を行った胃癌109例に対して逆流についてアンケート調査した.これをもとに,術前後のHis角,残胃小彎長,性差,郭清程度などと逆流症状との関連について検討した.さらに,26例では術後Bilitec2000を用いて24時間食道内胆汁逆流の頻度を測定し,上記因子と逆流の程度について検討を加えた.結果:アンケート調査では逆流症状(有症状群)を23例(21%)に認めた.逆流の成因となる因子について検討すると,術後のHis角が有症状群92.6±32.2°,無症状群74.7±26.5°と有症状群で開大していた(p=0.007).また,残胃小彎長(N cm)ではN≦5の群で逆流症状を示した症例が22例中9例(41%)と有意に多かった. (p=0.026).また,発症頻度は男性15.5%,女性31.6%と性差を認めた.重回帰分析でもこれら因子が独立した有意な因子となった.また,Bilitec2000を用いて胆汁逆流の頻度を測定した26例については,胆汁逆流の頻度が5%以上の20例では,His角は90.6±21.5°,5%未満の6例では74.5±14.2°となり胆汁逆流群ではHis角は開大していた.このうち6例に逆流症状を認めたが,いずれも胆汁逆流群であった.考察:幽門側胃切除後のGERDの発症にはHis角の開大で示される噴門部の形態変化および残胃の大きさ,性別が重要な因子と考えられた.
著者
山根 貴夫 宮島 綾子 八田 一葉 藤田 俊広 曽我 直弘 亀岡 信悟
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.952-956, 2017 (Released:2018-12-28)
参考文献数
23

今回われわれは一般的な治療に効果を認めなかった下痢型の過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)を有する虫垂炎患者に対し虫垂切除を行うことによりIBSの症状が改善した2例を経験した.症例1は47歳の男性,元来1日平均10回の水様便を認める下痢型IBSであった.今回心窩部痛を主訴に受診,急性虫垂炎の診断で腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.術後より1日1~2回の普通便となりIBSが改善した.症例2は42歳の女性,心窩部痛を伴う1日平均3回の軟便~水様便をきたす下痢型IBSであった.今回右下腹部痛を主訴に受診,急性虫垂炎の診断で腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.術後より2日1回の普通便となりIBSが改善した.医中誌で検索しうるかぎり虫垂切除により下痢型IBSが改善した報告例はなく,若干の文献的考察を加え報告する.
著者
植田 吉宣 進藤 廣成 安達 登 山根 貴夫 齋藤 元伸 亀岡 信悟
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.11, pp.2724-2728, 2015 (Released:2016-05-31)
参考文献数
23

症例は13歳,女児.急性の心窩部痛・吐血から意識障害をきたし,ショックの状態で当院へ救急搬送された.腹部CTでは大量の腹水およびfree airを認め,消化管穿孔による汎発性腹膜炎と診断し救命処置を行ったが救命できなかった.剖検したところ,胃底部前壁に約1.5×1.3cmおよび1.3×1.0cmと2箇所の破裂部位を認めた.破裂原因は不明であり,特発性胃破裂による汎発性腹膜炎およびショックによる死亡と診断した.本症例は胃底部の特発性胃破裂と考えられる病態による急激な転帰で死亡に至った例であり,非常に稀な症例と思われるため若干の文献的考察を踏まえ報告する.