著者
林 智絵 佐藤 大樹 二河 成男 根田 仁
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会会報 (ISSN:00290289)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.57-65, 2023-11-01 (Released:2023-12-02)
参考文献数
35

マツカサタケは,長らくAuriscalpium vulgareと同定されてきたが,担子胞子の形態はA. orientaleの特徴と一致した.また,nrDNA ITSおよびLSU領域の塩基配列を用いた分子系統解析ではA. orientaleのクレードに含まれた.さらに,マツカサタケはA. orientaleと同じ基質嗜好性を示した.これらの結果から,マツカサタケは中国から記載されたA. orientaleであると結論づけた.
著者
二河 成男 佐藤 雅彦 近藤 憲久 深津 武馬
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.185-194, 2011-09-15 (Released:2012-04-27)
参考文献数
32
被引用文献数
7

日本産コウモリ類に寄生するクモバエ科昆虫97試料を検した.5属11種のコウモリから4属8種のクモバエが得られた.過去の報告と併せて主要宿主を推定したところ,3種のクモバエは単一種のコウモリに,4種のクモバエは同属のコウモリ2種に依存していた.1種のクモバエのみ3属4種のコウモリより得られたが,分子系統解析の結果,これら3属は単系統群となることが判明した.すなわちクモバエ類には一般に種特異的,属特異的もしくは属群特異的な宿主特異性があることが示された.一方,ミトコンドリア遺伝子の塩基配列に基づいたクモバエ類の分子系統樹と宿主コウモリの系統樹を比較したところ,両者の樹形に共分岐パターンはまったく認められなかった.すなわちクモバエ類の進化過程では宿主転換が繰り返し起こってきたことが示唆された.
著者
二河 成男
出版者
放送大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

アズキゾウムシゲノムのボルバキアから水平転移したゲノム断片が360kbに及ぶこと、転移断片上の遺伝子は、読み枠が壊れ、転写産物もわずかであり、偽遺伝子化していることを示した。エンドウヒゲナガアブラムシでは、宿主昆虫の必須共生細菌ブフネラを保持する菌細胞で高い発現を示す遺伝子の中に、ボルバキアの近縁種から水平転移した遺伝子が存在することを示した。この転移遺伝子は、その由来とは異なる共生細菌の維持に関与している。