著者
齋藤 滋 村口 篤 二階堂 敏雄 瀧澤 俊広 津田 さやか
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

胎児は、母親にとって半異物のため、本来は拒絶されるが、免疫寛容を誘導する制御性T細胞(Treg)により、妊娠が維持される。今回の研究で父親抗原特異的な免疫寛容は精漿によりもたらされる事、ヒトの流産で胎児染色体正常例ではeffector Tregの数が減少していたが、父親抗原特異的Tregの割合は変化しなかった。一方、妊娠高血圧腎症ではeffector Treg細胞の減少は軽微であったが、父親抗原を認識すると考えられるクローナルなTregは、著明に減少していた。つまり、流産ではTreg細胞の減少が関与し、妊娠高血圧腎症では父親抗原特異的Tregが減少することが初めて証明された。
著者
吉田 淑子 二階堂 敏雄 岡部 素典 小池 千加
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

羊膜上皮および羊膜間葉系細胞に含まれる幹細胞を純化し、疾患モデルでその効果を検討した。糖尿病モデルでは、一過性の血糖値の低下および延命効果が見られた。脊髄損傷モデルでは、損傷後1週間後に羊膜間葉系細胞を移植したにも関わらず、下肢の機能に有為な回復が認められた。骨欠損モデルでは、異種動物への移植であったにも関わらず、拒絶はほとんど認められず骨組織への再生が確認された。羊膜幹細胞は再生医療の細胞素材として有効である。