著者
齋藤 滋 村口 篤 二階堂 敏雄 瀧澤 俊広 津田 さやか
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

胎児は、母親にとって半異物のため、本来は拒絶されるが、免疫寛容を誘導する制御性T細胞(Treg)により、妊娠が維持される。今回の研究で父親抗原特異的な免疫寛容は精漿によりもたらされる事、ヒトの流産で胎児染色体正常例ではeffector Tregの数が減少していたが、父親抗原特異的Tregの割合は変化しなかった。一方、妊娠高血圧腎症ではeffector Treg細胞の減少は軽微であったが、父親抗原を認識すると考えられるクローナルなTregは、著明に減少していた。つまり、流産ではTreg細胞の減少が関与し、妊娠高血圧腎症では父親抗原特異的Tregが減少することが初めて証明された。
著者
石川 源 竹下 俊行 瀧澤 俊広 磯崎 太一
出版者
日本医科大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

近年、胎児型Fc受容体が、IgGだけでなくアルブミンとも結合し、生体において、その異化から保護する作用があることが示唆されている。ヒト胎盤絨毛の栄養膜には胎児型Fc受容体が発現しており、母体血を介してアルブミンならびにIgGを担体として、選択的に胎盤への物質輸送が可能である。この研究にて、胎児型Fc受容体によるトランスサイトーシス機能を介した新規胎盤治療法開発を展開するために、先ずヒト初期胎盤を用いて胎児型Fc受容体のアルブミン保護作用を検討した.IgGとアルブミンの初期胎盤絨毛組織における詳細な局在解析を進めるために、光顕レベルで電子顕微鏡の解像力に迫る、独自に開発した超高分解能蛍光顕微鏡法でさらに解析した。母体血に接する栄養膜合胞体内には、IgGの局在を示す、たくさんの大小顆粒状の蛍光を認めた。栄養膜細胞内にはIgGは観察されなかった。しかし、隣接する栄養膜細胞間にIgGの存在を示す蛍光が観察された。栄養膜を越えて絨毛内間質にもIgGが検出された。初期胎盤絨毛組織において、栄養膜細胞層は、母児間IgG輸送の物理的バリアとはなっておらず、栄養膜合胞体においてトランスサイトーシスされたIgGは、栄養膜細胞間腔を通過し、絨毛間質へ既に到達することが明らかとなった。GFP融合胎児型Fc受容体ベクターを作製、絨毛癌細胞株(BeWo等)へ導入し、バイオイメージング解析を行った。解析を効率よく進めるためのGFP発現安定株の作製、霊長目を用いたin vivo実験は課題として残された。今回の研究から、従来の定説とは異なる。初期絨毛での胎盤関門に関する新知見を得ることができた(投稿準備中)。さらに、IgGのみならずアルブミンをキャリアーとして、初期胎盤絨毛組織内へ効率よく治療薬分子を投与することが可能であることを強く示唆する結果を得た。
著者
瀧澤 俊広
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学医学会雑誌 (ISSN:13498975)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.136-140, 2009 (Released:2009-05-15)
参考文献数
2
被引用文献数
2 2

Histochemistry, especially immunohistochemistry, is a powerful and diverse set of methods for obtaining spatial and temporal information concerning the expression and distribution of biomolecules in situ. In this technical note, we describe procedures for fixation and immunofluorescence microscopy using cryostat sections.