著者
古谷 力 折原 裕 高木 さつき 吉田 淑子
出版者
Japanese Society for Plant Cell and Molecular Biology
雑誌
植物組織培養 (ISSN:02895773)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.82-86, 1988 (Released:2010-04-30)
参考文献数
11

奥多摩産ワサビ (Wsabia japonica Matsum.) の根茎より6種の分化段階の異なる培養組織を得た. これらの sinigrin 含量, myrosinase 活性を比較し, 分化と辛味発現の関係を考察した. Myrosinase 活性は脱分化したカルスから幼苗にいたるまですべての培養株に認められたが, sinigrin は少なくとも幼根・子葉様組織を併せ持つまで分化が進まなければ検出できなかった. さらに分化段階が進むにつれ sinigrin 含量は増加した. ワサビ原植物では sinigrin は全草に認められるが, 特に根茎部に多い. このてとから分化段階の進行による sinigrin 含量の増加は根茎部の肥大によるところが大きいと考えられる.
著者
吉田 淑子 二階堂 敏雄 岡部 素典 小池 千加
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

羊膜上皮および羊膜間葉系細胞に含まれる幹細胞を純化し、疾患モデルでその効果を検討した。糖尿病モデルでは、一過性の血糖値の低下および延命効果が見られた。脊髄損傷モデルでは、損傷後1週間後に羊膜間葉系細胞を移植したにも関わらず、下肢の機能に有為な回復が認められた。骨欠損モデルでは、異種動物への移植であったにも関わらず、拒絶はほとんど認められず骨組織への再生が確認された。羊膜幹細胞は再生医療の細胞素材として有効である。