著者
五十嵐 光秋 坂地 泰紀 和泉 潔 島田 尚 須田 真太郎
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

決算短信の因果関係ネットワークを構築する実験を行った.因果関係を決算短信から抽出し,表現の類似度を算出してネットワークを構築した.類似度の計算には日本語版ウィキペディアのコーパスから作成したword2vecモデルを使用し,単語の重要度を表すidf値の組み合わせることで,単語ベクトルから因果関係表現のベクトルを獲得した.また、極性辞書を用いて因果表現の極性の反転を捉えることで,word2vecモデルにより同一視される対義語と類義語による違いを検出した.実験によってネットワークから,因果関係どうしを結ぶ100個のエッジを無作為に選択し、目視により評価した。 その結果、妥当な接続と考えられる割合は84%であり、さらにその中で極性の反転が正しく捉えられたエッジの割合は86%であった。
著者
鄒 青穎 田口 一汰 佐藤 龍之世 石川 幸男 檜垣 大助 蔡 美芳 五十嵐 光 山邉 康晴
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.142-156, 2023 (Released:2023-06-01)
参考文献数
31
被引用文献数
1

津軽十二湖地すべり地は,白神山地の最西部,青森県津軽国定公園にある約300年前の地震によってできた地すべりである.そこには,流れ山や舌状小尾根地形や巨礫や湖沼群など,十二湖を形成した地すべりの運動やその範囲を示す痕跡が各所に見られる.ここへの来訪者の多くは,推奨散策ルート沿いに1~4時間滞在し,池とブナ自然林の自然風景を鑑賞するために訪れている.来訪者は,地すべりに関連する池の成因や地形と植生との関係への興味が高いが,地学や地生態学的要素に関する情報は来訪者には伝わっていない.そうしたギャップを解消するため,十二湖の地形のできかたとその上に成り立った地すべり地形と植生の対応関係について調査を行い,それらへの理解が深まる散策ポイントを巡る散策マップを作成した.