著者
矢野 隆 山田 一郎 吉野 泰子 五十嵐 寿一 加来 治郎 神田 一伸 金子 哲也 桑野 園子 新居 洋子 佐藤 哲身 荘 美知子
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.165-172, 2002
参考文献数
20
被引用文献数
4

ICBEN Team 6が提案する方法に従って種々の言語間で比較可能な騒音のうるささに関する5段階の尺度(「非常に」,「だいぶ」,「多少」,「それほど…ない」,「まったく…ない」)を構成した。この実験に用いた21の言葉や尺度に選ばれた五つの言葉が普段人々が騒音のうるささの程度を表すのによく使うかどうかを調査し,これらの言葉は人々がよく使うことを確認した。また,ICBEN Team 6が提案している騒音のうるささに関する英語の質問文とほぼ等価な日本語の質問文を作成した。その際,英語の質問文の翻訳・逆翻訳に関する調査結果及びうるささの概念に関する既往の研究結果を基に,英語の"bothers, disturbs or annoys"に相当する日本語として「悩まされる,あるいは,じゃまされる,うるさいと感じる」を当てることにした。
著者
矢野 隆 五十嵐 寿一 加来 治郎 神田 一伸 金子 哲也 桑野 園子 新居 洋子 佐藤 哲身 荘 美知子 山田 一郎 吉野 泰子
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.101-110, 2002-02-01
被引用文献数
15 3

世界各地で行われる騒音に関する社会調査のデータを精度よく比較するためには, 異種の言語間で比較可能な騒音のうるささに関する尺度が必要である。筆者らはICBEN Team6が計画した国際共同研究の一環として, 我が国の4地域で20代から60代以上の1,102名の人々を対象として, 騒音のうるささに関する日本語の5段階の尺度を構成した。騒音のうるささの程度を表す21個の言葉を選び, どの言葉が最小のうるささから最大まで等間隔に並んでいるか, どの言葉が尺度カテゴリに好んで選ばれるか, 更に評価のばらつきが小さいかを検討し, 異種の言語間で比較可能な騒音のうるささに関する尺度の言葉として「非常に」, 「だいぶ」, 「多少」, 「それほど…ない」, 「まったく…ない」を選んだ。
著者
五十嵐 寿一 石井 泰 杉山 清春 IGARASHI Juichi ISHII Yasushi SUGIYAMA Kiyoharu
出版者
東京大学航空研究所
雑誌
東京大学航空研究所集報 (ISSN:05638097)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.7-31, 1964-03

振動,音響現象などの高速度の信号を解析するためのディジタル型相関器を試作したので報告する.相関をとるべき二つの信号はいったんデータレコーダ等に録音しその再生出力を相関器への入力電圧とする.この入力電圧は二つのアナログーディジタル(A-D)変換器によって一定時間ごとにそれぞれ2進4桁の数字に変換され,そのうち一方はシフトレジスタに入りある時間たってから読出されて他方との間に掛算が行なわれる.掛算の結果はパルス数に変換されカウンタに積算されていくが,特にこの相関器においてはA-D変換器等のドリフトによる誤差を最小にするために,二つの数の積のみでなく,それらのある一定数に対する補数同志の積をも積算に繰入れるという独特の方式を採用している.シフトレジスタの段数は11段であるが,二つのA-D変換器のサンプリング時刻はサンプリング週期の1/5ステップごとに相対的にずらせることができる.したがって全体としては正あるいは負の方向に55ステップの時間シフトをとることができる.入力信号の相関値はデータレコーダを繰返し再生しつつこれらの時間シフトのステップについて一つ一つ計算されていく.その際計算に使用するサンプルの数は相関器に任意に設定できるようになっている.この相関器は約400個のトランジスタ論理要素から構成されており約5Kcまでの周波数の入力信号を取扱うことができる.この報告では試作した相関器の動作原理や構造の説明などのほかに,すでにこの装置を用いて計算された多くの相関関数の中から二,三を選んで例示してある。
著者
石井 泰 山田 一郎 幹 康 五十嵐 寿一
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.226-234, 1979-05-01
被引用文献数
17

A new technique to measure the ground to ground noise propagation was developed. The test sound of a band limited noise is emitted from a loudspeaker intermittently. A several second burst of the noise and the following pause of the same length are repeated. At a receiving spot, the sound intensity is integrated alternatively by two digital counters. One counter integrates the intensity of the test sound plus the background noise at that spot in the period for which the test sound is present. The other integrates the intensity of the background noise in the absent period of the test sound. Each of the devices at the source and receiving spots has a precise crystal oscillator as the clock. Once the synchronization of the two devices is made before a measurement, the relative phase of the operations of the devices is kept constant during the time of the measurement without any connection. After the completion of a predetermined number of integrations, the difference of the accumulated numbers in the two counters is read, which gives the intensity of the test sound at the receiving spot. Experiments using a 5-Watt loudspeaker showed that the noise attenuations of the distance of 170m can be measured with the statistical error less than 0. 5dB.