- 著者
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川上 憲人
原谷 隆史
金子 哲也
小泉 明
- 出版者
- 公益社団法人日本産業衛生学会
- 雑誌
- 産業医学 (ISSN:00471879)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.1, pp.55-63, 1987-01-20
- 被引用文献数
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25
電気関連部品の製造にかかわる2事業所の従業員3,987名を対象として,8種類の生活習慣とZung自己評価式抑うつ尺度による抑うつ症状との関連性を検討した.結果として3,160名(79.3%)から有効回答を得,年齢・婚姻状態・学歴の人口統計学的要因,職業関連要因,健康状態,経済的・時間的余裕の各種の交絡要因の影響を考慮した上で,男性では朝食を毎日とり,運動・飲酒の習慣があり,肥満度が-10%より上の場合に抑うつ得点が有意に低かった.女性では睡眠7〜8時間で,運動習慣があり,喫煙しない場合に同じく抑うつ得点が低かった.本研究で得られた関連性は,ただちに両者の因果関係を示すものではないが,これらの健康習慣が抑うつ症状の減少に役立っている可能性は高いように思われた.