著者
五味 弘 高橋 順一 新谷 義弘 伊藤丹二 長坂 篤
雑誌
情報処理学会研究報告プログラミング(PRO)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.24(1991-PRO-064), pp.17-24, 1992-03-16

COMMON LISP THE LANGUAGE SECOND EDITION 準拠の高速かつ高い移植性を持つCommon Lisp処理系であるTachyon Common Lispの実現方式について述べる。本処理系は現在i860^<TM> RISC CPUを搭載したUNIXワークステーションOKIstation 7300上で動作する。Tachyon Common Lispは実行速度を重視するため、i860^<TM> CPU特有の最適化を含む各種の高速化を行った。また、高い移植性を保証するためにその核言語のみをLispに似た構文を持つマクロアセンブラで記述し、その他の大部分をS式で記述している。さらに大きなメモリ空間を使用でき、またそのカスタマイズが容易にできるメモリマネジャと、GC時間の短縮のために圧縮領域を制御するGCを実現した。
著者
堀川 恵美 新谷 義弘 長坂 篤 高橋 順一 五味 弘
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.7-8, 1993-03-01

Lisp言語は,その誕生以来、言語の持つ柔軟性/拡張性により多くの方言が存在したが,仕様の共通化や可搬性などを目的としたCommon Lisp(以下,CLtL1)の登場により統一が進み,Common Lispは業界標準として定着した.その後,第1版の持つ言語仕様の不完全な部分を修正し,ANSI規格とするための作業がANSI X3J13において進められた.この作業の成果をを反映した形で,オプジェクト指向機能(MOPを除くCLOS)等を付け加えたCommon Lisp第2版(以下,CLtL2という)が出されたが,これはまた,ANSI Common Lisp(以下,ANSI CLとうい)へのつなぎ役もかねていた.現在,ANSI CLは,public reviewが終了し,早ければ今春にも制定される予定である.CLtL2とANSI CLでは,残念ながら仕様が異なる点がある.Tachyon Common Lispは,CLtL2に基づいた処理系であり,ANSI CLに基づく仕様に変更する必要があるが,ANSI CLの制定時期に不明確な所があり,また,CLtL2で書かれたプログラムの継承のためにも当面2つの仕様を両立させておくべきだと考えている.本稿では,この新しいANSI CL仕様とCLtL2仕様との言語仕様の違いに対するために採用した方法およびこのために新たに開発したコンパイラの拡張方式について述べる.
著者
須田健二 五味弘
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.239-240, 2014-03-11

組合せテストの品質を保ち、かつテスト回数を少なくするためのテスト技法として直交表とオールペア法(被覆表)が知られている。しかし今まではその生成ツールの使いやすさやテスト回数が少ないなどの理由からオールペア法の方がより多く利用されてきた。また、組合せの個数を 2個に固定するなど限定的な使用が多かった。そこで我々が開発している万能型直交表生成ソフトGaloisと代表的なオールペア法の生成ソフトであるPICTに対して、因子数やその水準数、強さが与えられた時のテスト回数と網羅率を求めた。そして、それらを比較検討することにより,テスト対象のソフトウェアにより適した技法として、直交表とオールペア法のどちらを選択するべきかの指針を与える。
著者
小島 透 五味 弘 高橋 順一 長坂 篤
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.61-62, 1992-02-24

Common Lisp 第2版では、プリティプリント制御関数をCommon Lisp標準関数として定義することで、第1版で不明確であったプリティプリント機能の仕様を明確にした。またユーザが自由に表示関数を定義できるように拡張が行われた。本稿では、ワークステーションOKIStation7300上に開発した第2版準拠のTachyon Common Lispにおけるプリティプリント機能の実現方法と、第2版の仕様の拡張の提案を行う。
著者
河津 昌子 高橋 順一 五味 弘 長坂 篤
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.9-10, 1993-03-01

我々はTachyon Common Lispを、Common Lisp第2版準処から、ANSI仕様へ対応させる作業を行なった。Common Lispに採用されているオブジェクト指向機能CLOS(Common Lisp Object System)は、他のオブジェクト指向言語と比較して多重メソッド選択、多重継承、動的クラス変更など多くの機能を持っている。そのため複雑な対応できるプログラミング環境が必要になってきている。そこで、CLOSのプログラミング開発をサポートするツールを作成した。こられにより、CLOS用いたプログラミングの開発効率が向上した。本稿では、開発ツールの中で、オブジェクトレーサ、キャッシュコントローラを中心に実現方法及びその効果について述べる。
著者
五味 弘 伊藤 丹二 長坂 篤
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1346-1347, 1989-10-16

LispマシンELISは、インタプリタの高速実行に重点を置いたアーキテクチャであるが、コンパイル・コードはバイトコードの解釈によって実行され、実行速度の点から改良の余地があった。我々は現在ELIS 8200上にCommon Lispのコンパイラを開発しており、レジスタマシン化、バイトコードの改良、広域最適化等によりコンパイルコードの高速化を行った。本稿ではELIS最適化コンパイラの構成とバイトコードについて述べる。