- 著者
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井上 忠雄
- 出版者
- 安全工学会
- 雑誌
- 安全工学 (ISSN:05704480)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.6, pp.398-405, 2016-12-15 (Released:2016-12-15)
- 参考文献数
- 7
21 世紀の初頭は高度化・激化するテロの時代であると言われる.特に,最近のテロは,その発生回数において,その使用する手段において,彼らの目指す目標において以前と全く異なった脅威が生じている.これらの動向に鑑み,我が国では,平成16 年に国民保護法が成立し,国や各県で化学・生物・放射線テロ等を想定した訓練が行われるようになった. この小論では,最近のテロ攻撃の中で発生頻度は少ないが,生起すれば大量の被害者が出て,悲惨な状況を呈するCBRN テロについて,CBRN テロとは何か,なぜテロリストがこれらの兵器に関心を示すのか,これに対してどう対処すべきか等につて,我が国で生起した東京地下鉄サリン事件の教訓等を参考に概説しようとするものである.また,化学・生物・放射線・核テロの特徴やその防護対策について簡単に概説する.