著者
小野 雅史 小池 俊雄 柴崎 亮介
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.514-525, 2016-11-01 (Released:2016-11-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1

研究データの共有に向けた研究コミュニティーの合意形成ならびにポリシー設計を,国家の枠組みを超えて包括的に実施しようとする活動が国際的に進行しているが,実際にはオープンデータ先進国の欧米豪においても,立場の違いからさまざまな言説が存在する。特に政策と実践とのギャップについては慎重に議論されており,研究現場の実態を把握するためにさまざまな調査が行われている。国内でも,急速に変化する国際動向に対応すべく,オープンサイエンスに関する議論が始まるようになったが,現在のところ,国内の研究現場の実態調査はまだほとんど行われていない。こうした背景から,本稿では地球環境情報分野の研究者の協力の下,研究データ共有に関する意識調査を実施した。本調査から,自身のデータの提供を前向きに考えている研究者であっても,さまざまな事情から完全な実現には至っていない実情等が明らかとなった。
著者
中村 要介 池内 幸司 阿部 紫織 小池 俊雄 江頭 進治
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_1177-I_1182, 2018

本研究は平成29年7月九州北部豪雨を一例とし中山間地河川である花月川を対象として,RRIモデルと解析雨量・降水短時間予報を用いた疑似リアルタイム環境での洪水予測シミュレーションを実施した.予測計算は流域・河道の状態量を30分毎に更新・保存しながら6時間先までの水位を逐次計算し,実績水位と予測水位の差から洪水予測に内在する予測時間毎の水位誤差を定量的に評価した.その結果,予測時間が長くなるほど予測水位誤差の幅が大きくなることがわかった.また,RRIモデル×降水短時間予報を用いた今次災害のリードタイムは70分であった.さらに,予測水位の誤差分布を考慮し予測水位を補正することで,補正しない場合より2時間早く氾濫危険水位の超過を予測できる可能性が示唆された.
著者
若月 泰孝 原 政之 藤田 実季子 馬燮銚 井上 忠雄 木村 富士男 小池 俊雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.I_55-I_60, 2016 (Released:2017-01-31)
参考文献数
15
被引用文献数
1

The incremental dynamical downscaling and analysis system (InDDAS) which has been developed from the pseudo-global-warming method by appending partial functions was applied for a probabilistic regional scale climate change projection with the target regions of Kanto and Japan Alps. In InDDAS, the most reliable future state was projected by a regional climate model (RCM) simulation with an ensemble mean among the climatological increments of multiple general circulation model (GCM) simulations. In addition, the uncertainty of the future projections is estimated by RCM simulations with the multi-modal statistical increments calculated by the singular vector decomposition of the multiple GCMs. An increase of rainfall with the change ratio of 7-16 % was projected in Kanto region, where the most reliable value was 10 %. The change ratios of the vicinity quantiles of extreme rainfall was projected to be larger than that of rainfall and was almost the same as the value explained by the Clausius—Clapeyron effect.
著者
住 明正 中島 映至 久保田 雅久 小池 俊雄 木本 昌秀 高木 幹雄
出版者
東京大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1996

3年計画の最終年度であるので、今までの研究成果の取りまとめを中心に研究活動が行われた。まず、陸域班では、顕熱・潜熱フラックス、アルベド、土壌水分などの物理量の推定が第2年度に引き続き行われた。海洋班では、ほとんどの月平均フラックス求められたので、それらを用いて、海洋内部の熱輸送などが解析された。その結果、西太平洋暖水域の維持機構について、中部太平洋で暖められた水が西に移流される、という関係が明らかになった。大気班では、大気中のエアロゾルや、雲の微物理量の推定が行われ、世界で初めて、広域・長期にわたるデータが得られた。植生班では、NOAAのGACデータを再処理することにより、新しく、土地利用分布を解析した。モデル班では、衛星データのモデルへの取り込みについて研究を深め、マイクロ波による水蒸気データの影響が大きいこと、高度計のデータが非常に重要であることなどが得られた。又、衛星データとモデルを用いた大陸規模の熱輸送・水輸送の推定が行われた。最近の衛星データを用いることにより、この推定が改善されることが示された。成果報告会も2回開催し、又、成果報告書も年度末に刊行する予定である。