著者
松田 徹 吉田 晋 井上 美幸 村永 信吾 大嶋 幸一郎 川間 健之介
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.719-726, 2013 (Released:2014-01-21)
参考文献数
33
被引用文献数
1

〔目的〕臨床経験10年以上の理学療法士(PT)の臨床判断による転倒予測の視点と確かさを検討すること.〔対象〕臨床経験10年以上のPT 17名.〔方法〕PT 11名に,フォーカスグループインタビューを実施し,timed “up& go” test(TUG)チェックリストを作成した.次に別のPT6名が,TUGチェックリストを使用し,21名の高齢者映像からの転倒予測を行った.〔結果〕visual analogue scale(VAS)評価は既存の転倒予測指標と有意な関連性を示し,チェックリスト評価項目の「着座動作に問題がある」の転倒予測の的中精度が高かった.〔結語〕臨床経験10年以上のPTの転倒予測の正確性は高く,既存の転倒予測指標にTUGの着座場面の観察を加えることで,予測の精度向上が期待できる.
著者
松田 徹 吉田 晋 井上 美幸 村永 信吾 大嶋 幸一郎 川間 健之介
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.69-75, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
29

〔目的〕臨床判断を基盤とした転倒危険性の感じ方が,臨床経験により異なるか,Timed “Up& Go” Test (TUG)遂行時の高齢者映像から検討すること.〔対象と方法〕「学生」群32名,臨床経験「1-2年目」群46名,「3-4年目」群34名,「5-9年目」群43名,「10年目以上」群15名.映像を見て,Visual Analogue Scale(VAS)で評価した.本研究上定義した転倒リスク分類との一致率とVAS測定値を臨床経験で比較した.〔結果〕転倒高リスク映像にて,「学生」群よりも「1-2年目」群,「10年目以上」群の一致率が有意に高く,「10年目以上」群で最も高かった.〔結語〕10年以上臨床経験を積むことで,転倒リスクの高い高齢者映像をより正確かつ明確に評価できる可能性が示唆された.