著者
牧迫 飛雄馬 古名 丈人 島田 裕之 赤沼 智美 吉田 裕人 井平 光 横山 香理 鈴木 隆雄
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 = The Journal of Japanese Physical Therapy Association (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.27-33, 2011-02-20
被引用文献数
4

【目的】75歳以上の高齢者における新規要介護認定の発生に対する歩行能力の影響を明らかにすることを目的とした。【方法】要介護認定を受けていない75歳以上の地域在住高齢者190名を対象とした。ベースライン調査として5m歩行時間(通常速度)を測定し,以降39ヵ月間の要介護認定発生状況との関連を調べた。【結果】39ヵ月間で34名(17.9%)が新規に要介護認定を受けた。5m歩行時間を男女別に4分位で速い群から遅い群のI〜IV群に分類し,要介護発生率曲線の差をLog-rank検定にて検討した結果,5m歩行時間が遅いIV群(男性5.2秒以上,女性5.8秒以上)では,それ以上に速い歩行速度を有する群(I〜III群)と比べて有意に高い要介護認定発生率を認めた(p<0.01)。Cox回帰分析の結果,新規要介護の発生と有意な関連を認めた変数は,BMIと5m歩行時間(秒)であり,5m歩行時間のハザード比は1.65(p<0.01)であった。【考察と結論】地域在住後期高齢者の歩行速度は,将来の要介護認定発生に影響を与える要因のひとつであることが確認された。
著者
牧迫 飛雄馬 古名 丈人 島田 裕之 赤沼 智美 吉田 裕人 井平 光 横山 香理 鈴木 隆雄
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.27-33, 2011-02-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
29
被引用文献数
2

【目的】75歳以上の高齢者における新規要介護認定の発生に対する歩行能力の影響を明らかにすることを目的とした。【方法】要介護認定を受けていない75歳以上の地域在住高齢者190名を対象とした。ベースライン調査として5m歩行時間(通常速度)を測定し,以降39ヵ月間の要介護認定発生状況との関連を調べた。【結果】39ヵ月間で34名(17.9%)が新規に要介護認定を受けた。5m歩行時間を男女別に4分位で速い群から遅い群のⅠ〜Ⅳ群に分類し,要介護発生率曲線の差をLog-rank検定にて検討した結果,5m歩行時間が遅いⅣ群(男性5.2秒以上,女性5.8秒以上)では,それ以上に速い歩行速度を有する群(Ⅰ〜Ⅲ群)と比べて有意に高い要介護認定発生率を認めた(p < 0.01)。Cox回帰分析の結果,新規要介護の発生と有意な関連を認めた変数は,BMIと5m歩行時間(秒)であり,5m歩行時間のハザード比は1.65(p < 0.01)であった。【考察と結論】地域在住後期高齢者の歩行速度は,将来の要介護認定発生に影響を与える要因のひとつであることが確認された。
著者
木村 美佳 守安 愛 牧迫 飛雄馬 井平 光 古名 丈人
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.66, no.11, pp.681-689, 2019-11-15 (Released:2019-11-26)
参考文献数
20

目的 食と運動の介護予防プログラムTAKE10!®を用いて,郵便を利用した通信型の介入を行い,集客型の介護予防教室で認められたような食習慣の変化が認められるかどうかを検証し,集客型の教室が開催できない地域や時期における本プログラムの活用について考察する。方法 北海道の積雪寒冷過疎地域3町村に在住の70歳以上の高齢者143人(平均年齢77.6±5.0歳,男性45人,女性98人)を郵便による通信型介入を5か月間行う介入群(72人)と行わない対照群(71人)に無作為に割付け,このうち,介入前後の調査会に出席し,質問紙を提出した介入群48人,対照群37人を解析対象者とし,介入前後の質問紙による調査(10の食品群の摂取頻度,Dietary Variety Score (DVS), Food Frequency Score (FFS))から食習慣を比較した。また,介入群を調理従事群と非従事群に分け,両群のDVS,FFSの変化を解析した。結果 介入群は介入前と比較して介入後に,9食品群の摂取頻度,DVS,FFSが有意に増加したが,対照群には有意な変化が認められず,2群間における交互作用が認められた。また,調理従事群,非従事群の両群においてDVS,FFSは介入前後で有意に増加した。結論 TAKE10!®プログラムは,通信型の介入が受け入れ可能な対象者において,集客型と同様な食習慣の変化ならびに,同一世帯内での共有を期待できると考えられ,集客型の教室が開催できない地域や時期においての活用は有効であると思われる。