著者
手塚 純一郎 本村 知華子 池井 純子 井手 康二 漢人 直之 後藤 真希子 田場 直彦 林 大輔 村上 洋子 森安 善生 スビヤント ケイジ 柴田 瑠美子 岡田 賢司 小田嶋 博 西間 三馨
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.1034-1042, 2008
被引用文献数
2 1

【目的】2006年9月よりブデソニド吸入用懸濁液(パルミコート吸入液^[○!R])の販売が開始され,乳幼児でpMDI+スペーサーによる治療以外にも吸入ステロイドの選択肢が増えた.しかし,メッシュ式ネブライザーを用いた検討の報告はない.今回,ブデソニド吸入用懸濁液のメッシュ式ネブライザーでの有効性・安全性について検討した.【対象および方法】6ヵ月以上5歳未満の気管支喘息と診断された児30名を対象に,2週間の観察期間後,Pari TurboBoy^[○!R]+LC Plus nebulizer^[○!R],Pari eMotion^[○!R],Omron MicroAir NE-22U^[○!R]の3機種に10名ずつ無作為に割り付け,ブデソニド吸入用懸濁液0.25mgを1日1回朝に投与した.有効性および安全性の評価を,投与前,4週後,12週後に喘息日誌と血漿コルチゾール値・身長を用いて行った.【結果】対象3群のうち,投与前の血漿コルチゾール値は,Omron MicroAir NE-22U^[○!R]で有意に高かった.投与後の血漿コルチゾール値はOmron MicroAir NE-22U^[○!R]で4週の時点で有意に低下したが基準値を超えての低下は認めなかった.他のネブライザーでは有意な変化は認めなかった.また,投与前後の有症状日数は投与後に有意に低下していたが,ネブライザー間での有意な差を認めなかった.【結論】メッシュ式ネブライザーを用いてブデソニド吸入用懸濁液0.25mgを投与することは,有効かつ安全であることが示唆された.