著者
井藤 彰
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.175-184, 2021-07-25 (Released:2021-10-25)
参考文献数
35

体外からの物理的刺激による遺伝子発現の遠隔操作は、がん治療や再生医療における遺伝子治療のための新しいアプローチを提供する。本稿では、磁性ナノ粒子の細胞局所での加温を利用して、外部からの磁気シグナルを遺伝子発現誘導のための細胞刺激に変換するといったナノテクノロジーと合成生物学を組み合わせた新しいアプローチについて紹介する。合成生物学的アプローチにより構築された温熱誘導型遺伝子発現システム(遺伝子回路)を標的細胞に導入し、さらに磁性ナノ粒子を標的細胞に導入して交流磁場を照射することで、磁性ナノ粒子の発熱を引き金とした目的遺伝子の発現誘導が可能となる。このアプローチは、時空間的な遺伝子発現の遠隔制御に基づく新しい遺伝子治療の開発に寄与すると考えられる。
著者
井藤 彰 上平 正道
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.82-88, 2015-01-20 (Released:2016-01-20)
参考文献数
32

標的細胞を磁気標識することによって,磁力による細胞の遠隔操作が可能となる.筆者らは,磁性ナノ粒子の表面をさまざまなバイオマテリアルで修飾した機能性磁性ナノ粒子を作製し,これらの機能性磁性ナノ粒子で標的細胞を磁気標識して磁気操作によるティッシュエンジニアリング技術として用いるMag-TE(Magnetic force-based tissue engineering)法の開発を行っている.これまでこの技術を用いてさまざまな細胞を使った三次元組織の構築を行ってきた.本稿では,骨格筋組織の作製を中心に解説する.