著者
藤本 典士 今中 武 上原 邦昭 豊田 順一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.906-907, 1988-09-12

現在のソフトウェア構築環境では、様々なライブラリ、ルーチンがシステム側から提供され、プログラマがこれらを利用できるようになっている。しかしながら、各ライブラリの仕様や利用法はマニュアルに頼るところが大きく、なかなか有効に利用できないのが現状である。このような問題点を解決するために、我々は既存のライブラリを有効にかつ容易に利用できるシステムのプロトタイプとしてWINCS(WINdow Class Synthesizer)を開発している。WINCSはPSI上で稼動するオブジェクト指向言語ESPが提供するウィンドウ関連のライブラリ(クラス)を有効利用するため、各クラスを既存部品として捉え、プログラマの機能要求に応じて、これらを選択・構成するプログラム開発支援システムである。
著者
今中 武 上原 邦昭 豊田 順一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.349-358, 1987-04-15

Prologには プログラムの大規模化に伴う実行効率の低下 高速集合演算機能などの実用的なデータベース操作機能の欠落などの問題点があることが指摘されている.これらの問題点を解決するために 本論文ではPrologと関係データベースを結合したDB-Prologを提案するDB-Prologでは 関係データベースとの結合に非評価方式と評価方式と呼ばれる二方式を用いている.非評価方式を用いて結合されているデータベースは Prologの内部データベースを拡張したものとみなされ ファクト集合が格納される.このファクト集合は データベースの検索機能を用いて実現したユニフィケーションによって高速に検索される評価方式を用いて結合されているデータベースには 数値 文字列データなどが格納され DB-Prologのシステム組み込み述語を用いて操作される.システム組み込み述語には データの追加 削除 検索などを行う述語のほかに 既存のデータベースにアクセスするための述語などが用意されている.また DB-Prologの評価実験を行ったところ ファクト集合が3 000個を越えると DB-Prologの方が従来のPrologに比べて高速にプログラムを実行できることがわかった.さらに 評価方式を用いて結合されている複数の関係データベースに閉じた世界の仮定を行うことで 知識の多世界化などが可能となっている.