- 著者
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浜田 智哉
田中 果南
今井 友城
東山 雄一
田中 章景
- 出版者
- 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
- 雑誌
- 高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.2, pp.228-235, 2017-06-30 (Released:2018-07-02)
- 参考文献数
- 23
失語症臨床において保続を観察する機会は多いが, 保続は失語症評価訓練の阻害要因の 1 つとしても知られている。今回, 発症から 6 ヵ月経過し, 保続が主症状の 1 つであった失語症者に対して TAP (Treatment of Aphasic Perseveration) を参考に保続の減少を目的とした訓練を約 1 ヵ月間施行した。訓練手続きは TAP のエラーコントロールメソッドを取り入れ, さらに訓練中に表出された保続の種類の質的な分析を行うことで, 保続に対する TAP の作用機序を明らかにしようと試みた。結果として, TAP による保続の減少は訓練語以外へも汎化し, さらに実生活での言語表出能力をも向上させたことがわかった。 一方, 保続の質的分析の結果からは, TAP は主に直後型保続の減少に寄与していることが明らかとなった。