著者
今岡 克也 桜井 秀浩
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.64, no.519, pp.47-54, 1999
被引用文献数
1 1

The 1997 Aichiken-Tobu Earthquake (M5.8) occured in 39 km depth beneath Mikawa region. By questionnaire survey method seismic intensitiy distribution was investigated to about 250 elementary schools in Mikawa region. And microtremor measurement have been carried out at the same schools. The purpose of this study is to interpretate the seismic intensity distribution from microtremor characteristics and souce effects. Seismic intensity increment is defined to be difference of seismic intensity of equivalent hypocentral distance in which source effects are excluded. In conclusion the period of peak horizontal-to-vertical spectral ratio of short-period microtremors is found to be in good agreement with seismic intensity increase. And the average of horizontal-to-vertical amplitude ratio of microtremors is better agreement with seismic intensity increase.
著者
今岡 克也
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

この研究では木造住宅の居住者体験型簡易耐震診断法を確立させるために100棟以上の耐震診断結果のある木造住宅を対象にして水平加振実験を行って固有振動数やねじれ振幅率などを耐震診断数値と比較・検討を行った。その結果, 1階に対する2階の面積比が50%以上の場合には,固有振動数が1階の構造評点と良い相関があることが判明した。また,住宅の重心軸上で水平起振器を設置できる場合には,ねじれ振動を正確に励起させることができるので,ねじれ振幅率が1階の偏心率と良い相関があることが判明した。
著者
今岡 克也
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究は,1997年3月16日愛知県東部地震(M:5.8)の際に調査したアンケート震度の中から,高層建物内に居た人の震度に着目して,建物-地盤系の微動測定に基づいて,地震時の建物の揺れ易さを評価するものである。初めに,1999年8月21日和歌山県中部地震(M:5.5)と2000年7月15日新島地震(M:5.9)で,地震波形が観測できた三重県と静岡県内の地震計設置地点で微動測定を実施し,地震波形の卓越周期や継続時間と微動特性との関係を明確にした。次に,アンケート震度か得られた高層建物の中から震度が大きかった16棟を選び出して,建物-地盤系の微動測定を行い,(1)地盤の卓越周期,(2)建物の固有周期,(3)建物最上階の増幅倍率などを算定した。さらに,微動の測定結果を利用して,愛知県東部地震で得られた既存の地震波形から建物直下の波形を推定し,地震時の建物応答を算定し,アンケート震度と比較した。以下に,本研究で得られた研究実績をまとめる。1.愛知・三重・静岡県内の約220地点で,微動の卓越周期とM5.5〜5.9の地震波形の卓越周期を比較した結果,微動の卓越時のH/V倍率が5倍以上の場合には,8割以上の地点が地震波形の卓越周期とほぼ一致することが判明した。さらに,両者の卓越周期がほぼ一致する場合では,微動の水平動とH/Vスペクトルの卓越周期もほぼ一致することが分かった。2.建物-地盤系の微動測定によって,建物の固有周期が地盤の卓越周期と近接している高層建物は,地震時に同じ周期で長く大きく揺れる共振現象が起きることが判明し,それによって建物内のアンケート震度が大きくなることが推定できた。
著者
今岡 克也
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究は,いつでも・どこでも・比較的簡単に測定できる微動の有効性を確かめるために、東海地域で地震観測を行っている施設内で微動測定を実施し,地震動と微動の特性を比較・考察することを目的としている.平成13年度から東海4県(愛知県,三重県,静岡県,岐阜県)内の地震観測施設で微動測定を実施し,表層地質などと関連させて得られた県内の地盤震動特性について,地元の新聞を通じて県民に公表するとともに,県庁や市町村の防災担当者に文書で説明した.次に,2000年10月6日鳥取県西部地震(M7.3)などの際に東海地域で得られた地震動波形を分析して,地震動と微動の特性を比較した.その結果,以下のことが判明した.(1)基板と堆積層とのせん断波速度のコントラストが大きく、かつ、堆積層が成層に近い地域では,微動H/Vスペクトルから表層地盤の1次卓越周期を容易に得ることができる.逆に,断層などの影響で堆積層が不整形になると,微動H/Vスペクトルの卓越が複数となり,また,水平動の卓越との対応も悪くなる.(2)地震の規模がM7.3と大きな場合,地震動波形と微動のH/Vスペクトルの1次卓越周期は長い周期域(4〜5秒)まで良く一致する.(3)地震動と微動のH/Vスペクトルの平均倍率を比較すると,地震動のH/V倍率は微動に比べて1.5〜2倍程度大きくなる場合が多い.(4)基盤と地表面との地震動波形から得られた表層地盤の伝達関数の1次卓越周期は、地震動のH/Vスペクトルから得られたものと良く一致する.